提供:ビジネスエンジニアリング(株)
取材日:2026年9月2日
① 目標の前倒し達成から生まれた、2030年への成長戦略「BE 2030」
② 製造業の「現場」に向き合う「mcframe」と、256社が集うユーザ会
③若手主導のブランド改革と、AIエージェント時代の基幹システム

ビジネスエンジニアリング株式会社
代表取締役社長 羽田雅一様
執行役員 経営統括本部 副本部長 企画部長 沖聖子様
その他学生後述
| 業種 | 情報・通信業 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区大手町1-8-1 KDDI大手町ビル |
| 市場区分 | 東証プライム |
| 証券コード | 4828 |
| 現在価格 | こちら |
今回の取材記事を担当する、法政大学の富樫です!よろしくお願いいたします!
私たちの身の回りにある製品は、工場で「何を、いつ、どれだけ作るか」を管理する仕組みに支えられています。しかし、生産方法や重視する品質、在庫の持ち方は企業ごとに異なり、一つの標準だけでは割り切れません。
今回取材したのは、そうした製造業の複雑な現場をITで支えるビジネスエンジニアリング株式会社(B-EN-G)です。自社開発パッケージ「mcframe」は、共通業務を効率化しながら、各社ならではの「ものづくりの強み」を生かせる柔軟性を備えています。
どんな会社?
B-EN-Gは、製造業を中心に、基幹業務システムの企画・導入から運用・保守までを一貫して支援するIT企業です。SAPなどのERP導入支援に加え、製造業向け自社パッケージ「mcframe(エムシーフレーム)」を開発・販売しています。
SAP(エスエーピー)とは?
ERPシステムを開発・販売している企業名、およびその製品(ブランド)
ERPとは?
販売、生産、在庫、会計など、企業の基幹業務に関する情報をまとめて管理する仕組みです。情報の重複を減らし、部門をまたいだ判断をしやすくします。
① 前倒し達成から始まった「BE 2030」
2025年5月に公表された成長戦略「BE 2030」は、どのような背景から生まれたのでしょうか?
当社は2021年8月に「経営Vision 2026」を策定しました。その後、利益目標を前倒しで達成したことなどを踏まえ、2023年11月に目標を上方修正しましたが、改訂後の目標についても早期達成が見込まれる状況となりました。
そこで、達成に満足して立ち止まるのではなく、投資家の皆様から寄せられる「この先、どのように成長するのか」という期待に応えるため、2030年度(2031年3月期)の姿を示す「BE 2030」を策定しました。経営陣だけで決めるのではなく、リーダークラスとも議論を重ね、市場や投資家から見て魅力ある成長ラインをすり合わせています。
「BE 2030」が目指す姿
- 2030年度の売上高目標:330億円
- 営業利益目標:100億円
- ROE目標:20%以上
- 売上高の内訳:システムインテグレーション163億円、ライセンス120億円、グローバル22億円、その他・新規事業25億円
出典:B-EN-G「BE 2030」(2025年5月13日公表)。数値目標にはM&A等による非連続的な成長を含みません。
成長戦略で示されている「システムインテグレーション事業」と「ライセンス事業」には、どのような違いがありますか?
システムインテグレーション事業は、製造業のお客様から課題を直接伺い、SAPをはじめとする基幹システムと、それを補完するソリューションを自社の営業・エンジニアが導入し、保守まで支える事業です。いわば「自社で売る」かたちで、お客様の業務に深く入り込める一方、売上の伸びは自社の人員数や一人ひとりの生産性に左右されます。
ライセンス事業は、大手ITベンダーをはじめとするパートナー企業に「mcframe」を販売・導入していただく、いわば「パートナー企業に売っていただく」かたちです。自社の人数だけに縛られず広げられるため、今後の成長を牽引する事業として注力しています。
| 比較軸 | システムインテグレーション事業 | ライセンス事業 |
|---|---|---|
| 顧客への届け方 | 自社で直接販売し、導入まで支援する | 大手パートナー企業に販売・導入していただく |
| 強み | 顧客の業務へ深く入り込み、課題に合わせて支援 | パートナー網を生かし、幅広い企業へ展開 |
| 「BE 2030」での位置づけ | 安定収益基盤(年率5%成長) | 成長エンジン(年率10%成長) |
| 成長上の特性 | エンジニアの人数・生産性の影響を受けやすい | 自社人員だけに依存せず拡大しやすい |
一件ごとの課題に深く向き合う事業と、製品をパートナー網で広く届ける事業。この二つを組み合わせていることが、B-EN-Gの成長モデルの特徴です。
② 製造業の「現場」を支えるmcframe
SAPなど広く知られたERPもある中で、製造業の企業が「mcframe」を選ぶ理由は何でしょうか?
当社はSAPの導入支援も行っており、どちらか一方が正解だとは考えていません。その上で、自社製品のmcframeは、製造業の生産・販売・原価管理を中核領域として磨いてきました。
会計や人事は法令や制度に基づく共通部分が比較的多い一方、生産管理は、何をどのように作るかによって大きく変わります。業務を標準パッケージへ無理に合わせると、企業固有の強みまで失われるおそれがあります。そこでmcframeは、共通する業務をパッケージで支えつつ、競争力に関わる部分を柔軟にカスタマイズできる設計にしています。
| 業務領域 | 企業ごとの差 | システムに求められる考え方 |
|---|---|---|
| 会計・人事など | 制度上の共通部分が比較的多い | 標準化による効率化と相性がよい |
| 製造業の生産管理 | 製品・工程・企業の思想で大きく異なる | 共通部分を標準化し、強みとなる部分は柔軟に残す |
提供開始から30年を迎えた現在では、標準機能で業務の8〜9割を支え、残りの部分でお客様固有の強みへ対応する導入が定着しています。長期間利用されているシステムも継続して支援し、規模や業種の異なる多くの製造業を支えています。
数字で見るmcframe
- 1996年:初代「MCFrame」を提供開始
- 2026年:提供開始30周年
- 1,094社、17カ国・地域で稼働
出典:mcframe公式コラム「記録するシステムから『価値創造の基盤』へ」(mcframe Day 2026〈2026年3月12日開催〉セッションレポート)。
200社を超える企業が参加する「mcframeユーザ会」についても教えてください!
mcframeユーザ会は、製品を導入した企業同士が知識や課題を共有する場です。研究会は1グループ約20名で活動し、工場見学や勉強会、業界別・海外での交流なども行っています。
当社にとっても、現場から「AIをどのように活用するか」といった率直な課題を伺い、製品開発へつなげられる大切な場です。導入企業同士が学び合い、その声で製品も成長する。この循環は、長年積み上げてきた大きな強みだと考えています。
mcframeユーザ会(MCUG)
ユーザ有志の発意により2005年に発足しました。設立時は国内50社未満でしたが、取材では「200社超」と伺い、公式サイトでは2026年の会員企業数を256社と公表しています。製品を「売って終わり」にせず、利用者同士と開発側が継続的につながる仕組みです。
出典:mcframe公式「mcframeユーザ会」(2026年掲載値)。
③ 若手が動かしたブランド改革
ロゴやパーパスなど、現在のブランドはどのように生まれたのでしょうか?会社の成り立ちとあわせて教えてください。
当社のルーツは、東洋エンジニアリングのシステム部門です。1999年に約100名で分社し、東洋ビジネスエンジニアリングとして事業を始めました。2018年に東洋エンジニアリングとの資本関係がなくなり、2019年に現在の「ビジネスエンジニアリング株式会社」へ社名を変更しました。
ブランド改革では、2020年に若手・中堅社員を中心とする社内横断のタスクフォースを立ち上げました。女性社員がリーダーを務め、約2年間の議論を重ねています。経営陣も挑戦を後押しし、2022年12月にパーパス「世の中に創造業を増やす」、ブランドステートメント「未来まで、よりそい抜く」、新しいロゴとコーポレートカラーを発表し、2023年1月から新ブランドを始動しました。
| 年 | B-EN-Gの歩み |
|---|---|
| 1987年 | 東洋エンジニアリング内に産業システム事業本部を新設 |
| 1999年 | 東洋ビジネスエンジニアリングとして事業開始 |
| 2018年 | 東洋エンジニアリングとの資本関係を解消 |
| 2019年 | ビジネスエンジニアリング株式会社へ社名変更 |
| 2020年 | 若手・中堅社員によるブランド改革タスクフォースを始動 |
| 2022年12月 | パーパス、ブランドステートメント、新ロゴを発表 |
| 2023年1月 | 新しいブランドコンセプトを始動 |
パーパス:世の中に創造業を増やす
顧客が創造的な活動により多くの力を注ぎ、社会へ新しい価値を生み出せるよう、デジタル技術で支えるという存在意義を表しています。
ブランドステートメント:未来まで、よりそい抜く
システムを導入して終わるのではなく、お客様と同じ目線で長く歩み続ける姿勢を表しています。
AIエージェント時代の基幹システムへ
統合報告書の発行や、AI技術の活用についてはどのように考えていますか?
統合報告書は、プライム市場企業として情報発信を充実させる流れの中で制作しました。理念、業績、事業戦略、サステナビリティ、社風までを一冊で伝えられるため、投資家だけでなく、就職活動中の学生やそのご家族にも会社を知っていただく資料になっています。
AIについては、ERPを核に、業務領域ごとのAIエージェントと、それらを束ねるマスタAIエージェントが連携する将来像を描いています。設計、生産、在庫など複数のシステムを横断して情報を集め、判断を支援する構想です。製造現場に蓄積されたデータやノウハウを生かし、ベテラン技術者の知識継承や人手不足といった課題の解決につなげていきます。
ここがポイント!
AIエージェント・プラットフォームは、取材時点では今後の構想です。2026年3月12日開催の「mcframe Day 2026」での講演では、PDM(製品情報管理)、SCM(供給網管理)、MES(製造実行システム)などを担当する複数のAIエージェントが連携し、設計変更の影響分析などを行う将来像が示されました。既に完成した一つの機能ではなく、ERPに蓄積された業務データを次の価値へ変える方向性です。
出典:mcframe公式コラム「記録するシステムから『価値創造の基盤』へ」(mcframe Day 2026〈2026年3月12日開催〉セッションレポート)。
今後の展望!
B-EN-Gは、主力製品「mcframe」をさらに磨き、パートナー企業を通じたライセンス事業を拡大するとともに、アジアを中心とするグローバル展開を進めます。加えて、基幹システムをAIが活用できる基盤へ進化させ、製造業の人手不足や技術継承といった課題に取り組んでいきます。
目標を前倒しで達成したからこそ、次の高い目標を掲げる。顧客ごとの「こだわり」を守りながら、多くの企業へ製品を広げる。B-EN-Gの成長は、相反しそうな二つを両立させる挑戦でもあります。
羽田社長よりメッセージ

羽田社長よりメッセージ色紙を頂きました!
以上、ビジネスエンジニアリング株式会社(証券コード4828)の取材報告でした!
レポーター:甲南大学 4年 北田大夢
理系・文系に関係なく論理的思考力が大切であることや、新規事業を社内で公募し、楽しみながら挑戦できる環境づくりをされている点が非常に印象に残りました。
レポーター:法政大学 2年 富樫玲巴
若手や中堅の社員の有志が約2年かけて、会社の思いを表す言葉「未来まで、よりそい抜く」と会社のマーク・色の刷新を進められたと伺い、若い世代の意見を会社の顔づくりに取り入れる社風に魅力を感じました。また、羽田社長は、AI時代には要件をまとめる力とAIの答えの良し悪しを見極める力が大切で、そのために大学での基本的な勉強が重要だとおっしゃっており、社員の約半数が文系出身と伺って心強く思いました。
そして、独立当初から会社を支えてこられた社長の「楽しく、しつこく」という言葉には重みがあり、就職活動でも仕事でも心に留めておきたいと感じました。
取材協力:ビジネスエンジニアリング株式会社
取材レポーター:北田大夢(甲南大学 4年)
富樫玲巴(法政大学 2年)
取材記事担当 :富樫玲巴(法政大学 2年)
取材SNS担当 :富樫玲巴(法政大学 2年)
当ホームページは株のトラ®独自の見解が含まれており、特定銘柄の推奨や株価の上昇または下落を示唆するものではありません、
最終判断はご自身にて行って下さい。
本記事の内容の著作権は株のトラ®に帰属します。
企画・構成・撮影:株のトラ®
企業様へ
『学生向け上場企業レポート』取材希望の企業様は未来金融研究部(kabutora@k-tora.com)までお問い合わせ下さい。
※投資にさらに興味を持ってもらうことを目的としているため、市場は問わず上場企業様の取材をさせて頂いております。





















