(株)デンソー【6902】

提供:(株)デンソー

取材日: 2026年5月6日

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①過去から引き継がれる挑戦のDNA!
②省電力化,オール電化に貢献したエジェクタサイクルとは?
③モビリティがエネルギー社会のハブへ!走行中無線給電の技術

株式会社デンソー
経営役員 CTO, CDO 武内裕嗣 様
他学生メンバー(後述)

業種 輸送用機器
本社所在地

愛知県刈谷市昭和町1-1

市場区分 東証プライム 名証プレミア
銘柄コード 6902
現在価格 こちら
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稲葉
稲葉

今回の取材記事担当は名古屋大学4年 稲葉琉斗です。よろしくお願いします!
株式会社デンソー 経営役員CTO 武内様へ取材に伺いました。

武内裕嗣 様

   経営役員 CTO,CDO
   工学博士 (名古屋大学 工学部卒) 

エジェクタサイクルの開発にて、第一回 ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞 受賞

どんな会社?

提供:(株)デンソー

デンソーは、先進的な自動車技術、システム・製品を提供する、グローバルな自動車部品メーカーです。1960年代から半導体に取り組み始めるなど、最先端の技術でモビリティ社会に貢献しています!

基本理念・経営の方針
  1. 魅力ある製品で お客様に満足を提供する
  2. 変化を先取りし 世界の市場で発展する
  3. 自然を大切にし 社会と共生する
  4. 個性を尊重し 活力ある企業をつくる
挑戦のDNA

オルタネーター
提供:(株)デンソー

エアコンシステム
提供:(株)デンソー

デンソーはこれまで、お客様とともに社会やモビリティの変化に向き合いながら、スターター、オルタネーター、ラジエーター、エアコンシステムと言った製品から、先進安全・高度運転支援に関わる製品に至るまで事業領域をますます広げていきました。どの分野の製品であっても関わっている社員たちはそれぞれに思い入れがあり、自分たちの製品をより良くしたいという思いが挑戦のDNAにつながっています。デンソーでは若手であっても主戦力です。私自身も若い頃から前例のないテーマに挑戦し、多くの失敗を経験しました。しかし、その挑戦の積み重ねが世界初の技術につながりました。デンソーには、自分のアイデアで世界を変える技術に挑戦できる環境があります。

武内CTO
武内CTO
稲葉
稲葉

入社時から観光バス用エアコンの次期型開発を担当し、世界初となる技術の開発に挑戦されたと伺って驚きました!若手から裁量を持って最先端のモノづくりに関われるのはすごいですね!

不可能を可能にした「エジェクタサイクル」

エジェクタサイクル図解
提供:(株)デンソー

稲葉
稲葉

武内CTOが中心となって開発し、第一回ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞を受賞した「エジェクタサイクル」について教えてください!過去に多くの研究者が挑戦して失敗した難題だとお伺いしましたが……。

これはエアコンや冷凍車を冷やす仕組みにおいて、「圧力を速度に変換する」ことで無駄になっていたエネルギーを回収する画期的な技術です。当時、「これ以上効率を上げるのは物理的に難しい」と誰もが諦めていた限界を、数式による証明と独自の設計で突破し、世界で初めて実用化に成功したのです。

武内CTO
武内CTO

中高生にもわかる!エジェクタサイクルのスゴさ 

エアコンや冷蔵庫は、ガスを圧縮したり膨張させたりして空気を冷やしていますが、その過程でどうしても「エネルギーの無駄」が出てしまいます。
「エジェクタサイクル」は、音速を超えるガスの流れをコントロールして、その無駄になっていたエネルギーを掃除機のように吸い上げて再利用する仕組みです。
これにより、「もうこれ以上省エネにするのは無理!」と言われていた限界値を突破し、劇的な効率アップを実現しました!

エジェクタサイクルの技術を応用し、世界初の自然冷媒ヒートポンプ給湯機「エコキュート」が誕生しました。

日本の給湯インフラの常識を塗り替えました。

📈

累計出荷台数 1,000万台を突破

2001年の初号機発売以来、着実にシェアを伸ばし、2025年3月末にはついに累計出荷台数 1,000万台の大台を突破しました。

🏠

戸建て住宅の約3割に導入

今や日本の戸建て住宅の 約3軒に1軒が利用しており、オール電化住宅の普及を牽引する「省エネ給湯」のスタンダードとなっています。

※エジェクタサイクルという独自の技術が、この圧倒的な普及を支えているのです。

出典:エコキュート「開発と進化」の歴史〜国内累計出荷台数1000万台到達〜(EV DAYS|東京電力エナジーパートナー)

取材の様子

25年たっても真似されない特許戦略

技術特許の有効期限は特許を取ってから20年ですが、エジェクタサイクルは開発から25年以上が経過した現在も、独自の設計技術と知財戦略によって高い競争力を維持しています。

武内CTO
武内CTO
稲葉
稲葉

そうなのですね!そういった画期的なアイデアは、どこから生まれてくるのですか?

実は、お風呂に入っている時にひらめくことが多いです(笑)、気づいたら2時間くらいお風呂に浸かっていたこともあります。特許戦略においては、一刻を争うものもあります。私たちは単に特許を取得するのではなく、技術の本質となる部分を「広く深く、抜け穴の無いように」押さえることを重視しています。

武内CTO
武内CTO
AIの全社展開と次世代の働き方

デンソーのAI活用
提供:(株)デンソー

デンソーでは生成AIを全社員へ展開し、日常業務の変革を進めています。社内に蓄積された膨大な「暗黙知」をAIに学習させ形式化することで、業務の効率化を劇的に進めています。ただし、AIはあくまでサポートツールであり、最終的な「価値」を判断し創造するのは人間であるという考えを大切にしています。だからこそ、若いうちから本質を考える力がますます重要になると考えています。

AIを使いこなすにも、AIの発展の歴史を知ることは非常に重要です。今のAIは言葉の並びの確率論に基づき、大きなデータセンターで膨大な計算を行っているのです。現状のAIの原理原則を知ることでもっとエネルギー効率的に良いものを開発しないといけないのでは?という視点にもなります。

武内CTO
武内CTO

走行中無線給電の技術開発!

例えばトラックなど長距離走行する大型車両における電動化では、電池の重量が大きな課題となります。

武内CTO
武内CTO

走行中無線給電技術
提供:(株)デンソー

この課題を解決するため、デンソーは走行中無線給電の技術開発に取り組み、2024年9月には50時間連続で電池残量を減らさずに走り続けられることを実証しました。走行中無線給電とは、地面に埋め込まれた送電装置によって、停車中および、走行中のEVのバッテリーに自動的に給電される技術のことです。

稲葉
稲葉

なるほど。電動化のカギとなるのが、デンソーが挑む走行中無線給電なのですね。道路から常に電力を得られれば、巨大なバッテリーは不要になり、トラックは本来の荷物をより多く、軽快に運べるようになりますね。

はい、そのとおりです。無線給電によって人手による充電作業が不要となり、自動運転や物流システムとの連携が可能になります。私たちはモビリティとインフラがつながる新しい社会基盤の実現を目指しています。

武内CTO
武内CTO
自動車のインフラとしての未来

提供:(株)デンソー

私たちは、モビリティを通じて「エネルギー」と「情報」を社会全体につないでいきたいと思います。さらに走行中無線給電の実用化に伴い、クルマは移動手段だけでなく、エネルギーを蓄え、社会と共有する「サステナブルな社会インフラ」へと進化していきます。そのような未来をステークホルダーの皆さんと一緒に技術で実現することが私たちの使命です。

武内CTO
武内CTO
稲葉
稲葉

自動車がエネルギーを蓄えながら運ぶインフラとなり
①災害時のエネルギー源としての活用
②家庭用蓄電池の代替としての活用
ができるのですね!

技術を他分野へ展開

拡大貢献事業:農業
提供:(株)デンソー

拡大貢献事業:工場の自動化(FA)
提供:(株)デンソー

お客さまとともに、磨いてきたクルマの技術やノウハウを活かし、農業や工場の自動化など、社会課題解決にも取り組み、お客様にとっての価値を高め、社会に期待され続ける企業を目指していきます。

どんな価値を世に出せるか、自ら考え想像し続けることが今後の鍵になります。技術の世界では、最初から正解が見えているテーマはほとんどありません。むしろ「誰もやったことがないから面白い」と考えられる人が新しい価値を生み出します。皆さんには失敗を恐れず、自分自身の好奇心を信じて挑戦してほしいと思います。未来を変える技術は、いつも若い技術者の挑戦から生まれます。

武内CTO
武内CTO

ポスターをお渡ししました。

学生へのメッセージ!

経営役員CTO
武内様からのメッセージ

稲葉
稲葉

以上、株式会社デンソー(銘柄コード:6902)の取材報告でした!

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稲葉
稲葉

レポーター:名古屋大学 4年 稲葉琉斗
日本を代表する巨大企業でありながら、「お風呂でアイデアを練る」といった人間味あふれるお話をお聞きし、挑戦するDNAが社員一人ひとりに根付いていることに深く感銘を受けました。車が移動手段だけでなく情報、エネルギー、インターネットのハブとなっていく次世代モビリティ社会においても、デンソー様が世界をリードしていく姿がとても楽しみです!

 

取材協力:株式会社デンソー
取材レポーター:稲葉琉斗  (名古屋大学  4年)
       :片野源也  (名城大学  4年)
       :横山温輝  (名古屋大学  4年)
       :内田萌伽  (中京大学  3年)
       :山本真由香 (南山大学  4年)
       :上野心優莉 (愛知大学  2年)
       


取材記事担当 :片野源也  (名城大学  4年)
取材SNS担当 :稲葉琉斗  (名古屋大学  4年)
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企画・構成・撮影:未来金融研究部

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