
提供:株式会社ファインシンター
取材日:2026年6月10日
①目に見えないところで社会を支える「粉末冶金」
②ミクロンオーダーの精度と「混ぜる技術」
③昆虫食から新たな挑戦へ!

株式会社ファインシンター
代表取締役社長 山口登士也様
常務取締役 小林努様
IR・資本戦略室室長 水野京子様
IR・資本戦略室主査 植田義久様
IR・資本戦略室 富田要様
他学生メンバー(後述)
| 業種 | 金属製品 |
| 本社所在地 | 愛知県春日井市明知町 西之洞1189-11 |
| 市場区分 | 東証スタンダード 名証メイン |
| 銘柄コード | 5994 |
| 現在価格 | こちら |
今回の取材記事担当は南山大学1年 後藤透弥です。よろしくお願いします!

提供:株式会社ファインシンター
ファインシンターは、鉄粉を「溶けない温度」で焼き固める粉末冶金(ふんまつやきん)という製法で製品を製造しています。金属をドロドロに溶かす鋳造とは異なるため、加熱エネルギーを低く抑えられます。さらに、原料の粉末をほぼ100%製品化できるため材料の無駄が少なく、環境面でも経済面でも優れた技術を扱っています!
金属を溶かさないで作れるなんて驚きです!まさに省エネなものづくりですね。
そうなんです。エネルギー効率が良く、かつ高精度。これからのカーボンニュートラルな社会にも適した製法なんですよ。
企業理念
ものつくりを通し、すみよい社会と⼈々の幸せに貢献する
ファインシンターの強みは、ミクロンオーダー(1000分の1ミリ単位)の超高精度部品を量産できることです。代表的なショックアブソーバー用ピストンは、金型と同等の「5ミクロン」の精度を維持しながら、大量に市場へ送り出すことができます。

提供:株式会社ファインシンター
ミクロンレベルの精度を量産品で実現できるのはなぜですか?
長年培った「匠の技」に加え、現在はシミュレーション技術や24時間無人稼働ラインといったデジタル革新を融合させることで、他社には真似できない領域に達しています!
異なる粉末を混ぜ合わせることで、「電気を通しながら摩耗しない(パンタグラフ接点)」や「安定した摩擦と耐久性を両立する(新幹線ブレーキ)」といった、単一素材では不可能な相反する機能を持つ特殊材料を生み出すことができます。

提供:株式会社ファインシンター
精密な焼結ギアを組み込んだ小型油圧ポンプは、歯科医院や美容院のチェア、病院のベッドに使われています。その静粛性と信頼性は圧倒的で、国内シェアは約8割から9割に達しています!
歯科医院のチェアがあんなに静かに動くのは、皆さんの技術のおかげだったんですね!
目立ちませんが、生活の質を支える重要な製品です。完成品として提供できることも当社の大きな強みです。
単に図面通りの部品を作るだけでなく、設計・解析・評価までを担い、完成品(ユニット)として顧客に提案するビジネスモデルへ転換をしています!特にハイブリッド車やEVに欠かせない「リアクトル」(電圧を変換する部品)用の部品は、トヨタ自動車と連携して培った世界トップクラスの技術を中心に、次世代の主力事業として成長しています。


提供:株式会社ファインシンター
材料から完成品まで一貫して手がけることで、より高い付加価値を生んでいるのですね。
お客様が気づいていない価値を、私たちの側から提案していくことが、これからの100年を切り拓く鍵になります。
NEXT:若手が仕掛ける「昆虫食」プロジェクト

提供:株式会社ファインシンター
「100年先も人間にとって変わらないものは『食』だ」という若手社員のアイデアから、昆虫食事業がスタートしました。粉末冶金の技術を活かし、コオロギを「喉越しの良い丸い粉末」に加工。現在は市場のニーズに合わせ、コオロギプロテインを配合した高級ドッグフードとしての展開にも挑戦しています。
製造業の会社が昆虫食!?と驚きましたが、若手の育成も兼ねているとお聞きしました。
これは単なる事業ではなく、商品企画やブランド戦略を実戦で学ぶ「若手育成プロジェクト」です。失敗を恐れずにチャレンジする文化を社内に根付かせたいという思いがあります。
100年に一度と言われる自動車の電動化(EV化)に対し、エンジン部品の減少を受け入れつつ、リアクトルなどの電動化対応部品への投資を加速させています。不透明な市場環境にあっても、足元の収益力を固めながら、培った材料技術で社会の課題を解決し続けていきます!
変化を恐れず、常に新しい価値を追求する姿勢に感動しました!
粉末冶金技術には無限の可能性があります。これからも革新的な社会の実現に貢献していきます!



ファインシンターの山口社長は、トヨタ自動車で最先端の技術開発に深く携わられたのち、現在は社長として会社を率いられています。若い頃は「世界一になりたい!自分が一番じゃないとダメなんだ」という圧倒的なモチベーションを持ち、ものすごい短期間で必死に勉強と技術習得を繰り返してこられたそうです。その泥臭くも圧倒的な情熱に、お話を伺った私たちも一瞬で引き込まれてしまいました。
そんな山口社長のキャリアの中で、最も熱いエピソードがトヨタ時代の「リアクトル(ハイブリッド車の心臓部となる部品)」の開発です。コスト削減と激しい騒音問題の板挟みになり、1年半以上も苦しみ、一時は諦めかけたそうです。それでも「こんなに良い技術を絶対に埋もれさせたくない」と1ヶ月以上悩み抜いたある日、「音の原因になる振動を、周りに伝えない構造にすればいいんだ!」と大逆転のアイデアが閃いたそうです。この諦めない執念が、世界初の技術を誕生させるブレイクスルーとなりました。
山口社長が何よりも大切にされているのは、「日本のものづくりを世界へ届ける」という高い志です。社長になられた今は、自社だけでなく「業界全体や日本にどう貢献できるか」という大きな視点で経営をされています。技術の強みを誰よりも理解しているからこそ語れる未来の戦略と、どんな苦難も乗り越える熱いパッションは、これから社会に出る私たち学生にとって、本当に大切な「生きる力」を教えてくれるものでした!
以上、株式会社ファインシンター(銘柄コード:5994)の取材報告でした!
取材協力:株式会社ファインシンター
記事担当:後藤透弥
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