(株)ノーリツ 【5943】

取材日:2024年8月21日

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①未来を支える給湯器と厨房機器
②環境対応型製品と市場拡大の取り組み
③人々の幸せを支える製品の進化と展望

株式会社ノーリツ
社長室 内尾豊志雄様 (上段右から一番目)
経営戦略統括本部 経営企画部 来田一壮様 (上段右から二番目)
経営戦略統括本部 人事部 枝松帆南様
他学生メンバー(後述)

今回の取材記事担当は大阪国際大学2年 藤山友汰です。よろしくお願いします!
東証プライム市場上場の株式会社ノーリツ(銘柄コード:5943)に取材させて頂きました!

どんな会社なの?

株式会社ノーリツは、給湯器ガスコンロ・レンジフードなど日々の暮らしを支える製品・サービスを提供する日本の住宅設備機器メーカーです。

ノーリツは1951年に「お風呂は人を幸せにする」という創業の原点のもとに設立され、その理念に基づき日本のお風呂文化を広め、人々の生活水準の向上に貢献してきました。現在では、創業の原点はそのままに「新しい幸せをわかすこと。」をミッションに掲げ、活動領域を海外にも展開し世界中の人々の生活に喜びと癒しを提供することを目指しています。

家と心を温める: ノーリツが提供する生活の快適さ

株式会社ノーリツは、日本国内では主に温水空調分野(ガス給湯器・石油給湯器)と厨房分野の機器の製造・販売を行っており、それぞれの分野で確固たる地位を築いています。

給湯器事業
ノーリツの給湯器事業は、同社の中核を成す重要な分野です。ガス・石油給湯器の製造・販売において、国内トップクラスのシェアを誇り、多くの家庭で使用されています。給湯器は家庭生活において欠かせない存在であり、ノーリツはその高い信頼性と技術力で、顧客から厚い支持を得ています。

ノーリツさんの給湯器事業が国内トップクラスのシェアを持っているとお聞きしましたが、その成功の秘訣は何でしょうか?

主に、長年築き上げた信頼性の高さと技術力が大きな要因です。多くのお客さまに安心して使っていただける製品を提供し続けています。

内尾様

具体的にはどんな技術が支持を集めているのでしょうか?

ノーリツでは創業以来、社会の環境変化や多様なエネルギーに対応した製品開発を通じて、社会と共に成長してきました。最近では、省エネ性能に優れた製品に「見まもり機能」「除菌機能」「睡眠サポート機能」を搭載し、社会課題の解決に貢献する「価値」を提供しています。

内尾様

見せて頂いた給湯器のリモート操作機能も便利ですね。これは最近のニーズに応えたものですか?

その通りです。現代のライフスタイルにあわせて、外出先からスマートフォンで操作できる機能を搭載しています。ご自宅や外出先からおふろのお湯はりや床暖房の操作だけでなく、同居家族の長時間入浴、離れて暮す家族の見まもりなど安心サポートする機能もあります。

内尾様

他の企業との差別化には、どのような点がありますか?

商品での差別化もありますが、品質やアフターサービス等の今までの実績と信頼が評価につながっています。

内尾様

ノーリツの進化:生成したオゾンを水に溶解する新技術

ノーリツは、オゾン水除菌ユニット「AQUA OZONE(アクアオゾン)」を開発し、給湯器に取り入れました。「AQUA OZONE」は水道水からつくりだしたオゾンをしっかりと水中へ溶解し安全かつ除菌効果が高いオゾン水を生成する技術です。コロナ禍以降も継続している衛生ニーズに対応しています。
浴室を清潔に保つ付加価値として、子育て世代を中心に多くのユーザーから支持されています。 より快適で安全な生活を提供するかという挑戦の一環です。こうした技術の進化は、日常生活にどんな新しい可能性をもたらすのか、ぜひ注目してみてください。

厨房機器事業
ノーリツの厨房機器事業は、家庭用のガスコンロやレンジフードなどを中心に、使いやすさと安全性を重視した製品を提供している、重要な事業分野です。

ノーリツさんの厨房機器事業について教えてください。どのような点が強みですか?

ビルトインコンロでは、安全性はもちろんですが、操作性とお手入れ性を追求し、さらに毎日の料理が楽しくなるような機能デザインを搭載することで、家族団らんの空間を目指しています。レンジフードでは、お手入れ性にこだわり、ファンのお手入れが10年間不要になる商品もラインアップしています。

内尾様

特にどのようなお客様に支持されていますか?

忙しい日常の中でも、簡単においしい料理を作りたいという家庭に非常に支持されています。最上位モデルの「PROGRE(プログレ)」に搭載されているマルチグリルを使うと、食材を切って専用容器に入れるだけで、あとはコンロが絶妙な火加減で自動調理をしてくれます。「焼く、煮る、蒸す」の基本調理だけではなく、「パン、無水調理、低温調理、ノンフライ、燻製」など幅広い調理に対応しています。従来使われていた焼網を使わず、洗いやすい専用容器を使用するためお手入れもだんぜんラクになります。

内尾様



ノーリツの業務用機器は、高い耐久性メンテナンスの容易さを備えていること、そして施設に応じた保守契約などを通じて、ダウンタイムの発生を防いでいます。そのお客さまからの信頼が、圧倒的な非住宅分野(業務用)の市場シェアに繋がっています。

ノーリツの強みは?

株式会社ノーリツが市場で強固な地位を築いている背景には、独自の技術力と、それを支える品質管理の徹底が存在します。特に、ノーリツの強みは「流体制御技術」「熱交換技術」「燃焼制御技術」3つのコア技術に集約されています!

流体制御技術
ノーリツの流体制御技術は、水やお湯の流れと温度を精密に調整する技術です。この技術があることで、シャワー中に水温が急に変わることなく、常に快適な温度を維持できます。家庭や大規模施設でも、安定した湯量と温度を提供し、日常生活を安心して送ることができます。

熱交換技術
ノーリツの熱交換技術は、高温のガスや液体から効率的に熱を取り出し、それを冷たい水に伝える技術です。これにより、少ない燃料で大量のお湯を作り出し、光熱費を抑えながらも環境に優しい生活が可能になります。毎日の入浴や家事を経済的に安心して行えるのは、この技術のおかげです。

燃焼制御技術
ノーリツの燃焼制御技術は、ガスと空気の混合を最適化し、安定した燃焼を実現する技術です。この技術により、ガス給湯器は高い安全性と効率を保ちつつ、お湯を安定して供給します。ガス漏れや不完全燃焼のリスクを最小限に抑えることで、日常生活を安心して過ごせる環境を提供しています。

ノーリツさんの製品が競合他社と一線を画す理由は何でしょうか?

当社の製品は、基本的な機能だけでなく、お客さまの利便性を最大限に考慮した多機能性を提供している点が大きな違いです。

内尾様

具体的には、どのような機能が競合との差別化につながっているのでしょうか?

ノーリツは、給湯器のリーディングカンパニーとして「お風呂の幸せ」を追求し、おふろ掃除にかかる手間の省力化に貢献する商品を開発してきました。現在では、おふろ掃除は機械に任せるという「おふろ掃除の新しい習慣」について世の中に浸透させていこうとしています。独自技術AQUA OZONE」を搭載したラク家事浴室暖房乾燥機「シャーン」ふろ給湯器のオゾン水配管クリーン」、スイッチ一つで自動的に浴槽洗浄ができる「おそうじ浴槽」などおふろ掃除の負担を軽減する商品が多数あります。
また、1997年から変わらないおふろの沸き上がりをお知らせする「メロディ」は、“お風呂の音”として多くのお客さまに親しまれています。ノーリツの「お湯はり完了メロディ」は2021年にクラシック音楽を含む音声として初めて商標登録もされています。

内尾様

品質管理についても徹底されていると伺いましたが、その取り組みはどのようなものですか?

全ての製品に対して厳格な検査を行い、製造段階での不具合を未然に防ぐよう努めています。また、製品が使用される過程でも、安全性を確保するための見まもり機能や定期的な点検サービスを提供しています。

内尾様

そうした取り組みが、顧客からの高い信頼につながっているのですね。

取材の様子

今後の展望

未来への航路: 2030年を見据えた持続可能な成長への道筋

ノーリツは、持続可能な成長を目指し、未来に向けた様々な取り組みを進めています。その中核となるのが2024年に新たに発表した中期経営計画「Vプラン26」です。少し先の 2030 年に「どのようにありたいか」という理想の姿を定め、その実現に向けた2026年までの3ヶ年の経営計画を策定しました。この中でノーリツは2030年に社会にとって「なくてはならない」存在としての地位を確立することを指針として掲げ、国内市場での深化と新たな価値創造、海外市場への積極的な展開に取り組んでいます。

国内市場の戦略
ノーリツは、国内市場において、既存事業の深化新たな価値の創造を目指しています。給湯器や暖房機器は、安心で快適な生活を支える重要な要素であり、ノーリツはこれらの製品を深化させ、環境問題社会課題に対応する新しい価値を提供することで社会に貢献しています。

ノーリツさんは国内市場において、どのような取り組みをされていますか?

カーボンニュートラル推進に貢献する環境配慮型商品やお客さまのお困りごとに寄り添う社会課題解決型商品の普及・浸透を行っています。また、IoTを活用してお客さまとのつながりを強化し、お客さまサポートを充実させることも目指します。インバウンド需要の恩恵で成長を続ける非住宅分野にも注力しています。

内尾様

環境への取り組み!

ノーリツは、環境問題に真摯に向き合い、2050年のカーボンニュートラル実現に向けたロードマップを策定し、製品と事業活動の両面から二酸化炭素排出量の削減を目指しています。これにより、持続可能な社会の実現に貢献し、国内市場での存在感を高め、顧客からの信頼を強化しています。

環境問題に対するノーリツの取り組みについて教えてください。

エコジョーズやハイブリッド給湯システムなどの環境配慮型商品の普及・促進を行っています。また、ガス・石油以外の新しいエネルギーに対応する次世代型給湯機の開発にも注力しています。現時点での成果としては、二酸化炭素排出ゼロの水素100%燃焼給湯器の開発に成功しています。水素供給のインフラが整った後の実用化に向けた実験を進めているところです。

内尾様

これらの取り組みが成長に与える影響については、どうお考えですか?

環境問題に真摯に対応することで、国内市場での当社の存在感が高まり、顧客からの信頼も強化されています。今後もこれを成長の鍵と捉え、取り組みを続けていきます。

内尾様

カーボンニュートラルの実現

ノーリツは、水素を使用した新しい給湯器のプロトタイプを開発しました。水素給湯器は、ガスの代わりに水素を使用してお湯を沸かす仕組みで、カーボンニュートラルの実現に向けた技術の一環として注目されています。

世界市場を視野に: ノーリツのグローバル戦略

ノーリツは、国内市場の成熟化に伴い、海外市場への積極的な展開を進めています。各国のエネルギー事情や消費者のライフスタイルに合わせた製品開発を行っています。また、新技術の研究開発にも積極的に取り組み、グローバル市場での競争力を強化しています。

ノーリツさんは国内市場の成熟化に対応して、海外市場への展開を進めていると伺いましたが、特に注力されているポイントは何でしょうか?

この中期経営計画では北米エリアに注力しています。この地域ではタンク式給湯器が市場の大半を占めていますが、環境・省エネ性の高いタンクレス給湯器の普及が進んでおり、シェア拡大の大きなチャンスと捉えています。

内尾様

北米エリアでの具体的な取り組みについて教えてください。

タンク式給湯器からの取替えを容易にする商品性を強みに取替えを促進し、タンクレス比率が大きく伸長しました。今後も低炭素社会に向け、環境配慮型商品のラインナップを強化していきます。

内尾様

他の地域ではどのような展開をされていますか?

中国では、低炭素社会の実現に向け、石油から天然ガスへ転換が進んでいる中、環境性能・利便性の高いガス給湯器やガスボイラーに置き換えることで環境に貢献します。ガス化の促進に応えていくため、工場を拡大します。

内尾様

新技術の開発についても進展があると伺いましたが、どのようなものですか?

はい、大学や研究機関と連携し、次世代の環境技術を活用した製品を開発しています。これにより、グローバル市場での競争力をさらに強化しています。

内尾様

見えない日常の支え手: ノーリツが届ける幸せとその未来

ノーリツは、ただ製品を提供するだけでなく、「当たり前の日常」を守るという強い使命感を持っている企業でした。普段は目に見えない部分で、日々の生活を支え続けるその姿勢。ノーリツが追求するのは、単なる便利さではなく、日常に根ざしたささやかな幸せを届けること。その姿勢こそが、多くの顧客からの信頼に繋がっているのだと感じました。今後の動向にも注目したいです。

学生へのメッセージ!

内尾豊志雄様よりメッセージ

以上、株式会社ノーリツ(銘柄コード:5943)の取材報告でした!

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レポーター:甲南大学 3年 北田大夢
 ノーリツさんの取材を通して、日本のお風呂文化、高齢者向けのお風呂、環境に配慮した製品など、さまざまな面で製品開発をされていることがわかりました。特にオペレーションセンターが24時間稼働しており、色々な意見、故障などにも対応して頂けるこの小さな当たり前がお客様の心を掴んでいるんだと思いました。今後の将来がとても楽しみです。

レポーター:甲南大学 3年 平川湧斗
 取材を通してノーリツさんの、「当たり前の日常」に対するこだわりを感じることができ、とても興味深かったです。お風呂部などの活動をとしてお風呂文化を発信したり、より安全にお風呂にはいれるようにオゾン殺菌技術を取り入れるなどの工夫をされていることも印象的でした。今後もお客さんに幸せを届け続けるノーリツさんに注目していきたいです。

レポーター:大阪国際大学 2年 藤山友汰
 ノーリツさんの取材を通じて、日本のお風呂文化を支えるために同社がどれほど努力しているかを実感しました。特に、製品開発における細やかな配慮や、顧客の声を反映させる姿勢が印象的でした。私も将来、こうした具体的な目標を持って、自分の仕事に取り組みたいと感じました。

取材協力:株式会社ノーリツ
取材レポーター:北田大夢(甲南大学 3年)
        平川湧斗(甲南大学 3年)
        藤山友汰(大阪国際大学 2年)
取材記事担当 :藤山友汰(大阪国際大学 2年)
取材SNS担当 :片野源也(名城大学 3年)
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