今回取材させて頂いた企業は、愛知県名古屋市に本社を置き小売業を営んでいる「ヤマナカ」様です!ヤマナカ様は愛知県を拠点とし、岐阜県・三重県にスーパーを展開している、地域密着型の経営を行っている企業です。今回私は、取材内容の中でも特に気になった「マグネット売場」について調べてみました。
マグネット売場とは、その名の通りお客さんを引き付ける磁場になる売場のことで、磁石売場とも呼ばれています。マグネット売場を効果的に配置することでお店側の理想とする方向へお客さんを誘導し、売上や顧客満足度の向上などに繋がるようです。お店の売上に直結する売り場作りの重要なポイントであるため、マーケティングを学んでいる方はもちろん、コンビニ、スーパーなどで売り場を担当している方は既にご存知かもしれませんね!
マグネット売場はスーパーのメイン通路である「主通路」をもとに、4種類に分類されます。4つの分類を簡単にまとめると、以下の通りです。
(出典:COUNTERWORKS(2023)「お客様を惹きつける『磁石売場』とは」)
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第1マグネット売場…主通路沿いの売場
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第2マグネット売場…通路の突き当たりにある曲がり角
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第3マグネット売場…陳列棚の両端にある売場
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第4マグネット売場…陳列棚の目玉商品の売場
第一マグネット
第一マグネット売場は、主通路沿いの売場であるためお客さんのほとんどはこの売場を通ることになります。
そのため、購入率の高い定番商品や、気軽に購入できる単価の安い商品を中心に陳列することが重要とされ、具体的な商品としては日用品や生鮮食品などが挙げられます。日々の買い物を思い出してみると、確かに、スーパーに入ってすぐの売場は野菜や果物が置いてありますね…そして、その先には魚や肉などの生鮮食品が売られていますね!
(出典:COUNTERWORKS(2023)「お客様を惹きつける『磁石売場』とは」)
第二マグネット
第二マグネット売場は、通路の突き当たりにあるコーナーであり、お客さんを通路の奥まで引き寄せる役割を持つ売場です。
(出典:COUNTERWORKS(2023)「お客様を惹きつける『磁石売場』とは」)
お客さんの中には、自分が必要としている目的の商品を手に取ったらすぐにレジへ向う人も少なくないですが、それでは売上が伸びませんよね!第2マグネット売場に季節感のある商品やPOP広告を設置することで目立つ商品を陳列し、お客さんの滞在時間を延ばして、ついで買いを促しているようですね。野菜だけを買うつもりが、いつの間にかカレーの材料を揃えていた…そのような経験は皆さん誰しもあるのではないでしょうか(笑)
第三マグネット
第三マグネット売場は、陳列棚の両端にある売場のことで、「エンド」とも呼ばれています。
第3マグネット売場の役割は、陳列棚にどのような商品が売られているかを明確にすることにあり、後述する第4マグネット売場の顔ともいえます。仮に第3マグネット売場が存在せず陳列棚の側面が主通路に向いていた場合、お客さんはいちいち売り場案内を確認する必要があり、陳列棚が面する通路に入らないと何を売っているかが分からなくなってしまいます。そのようなお店では購買意欲も下がってしまいますね。第3マグネット売場はお客さんに注目してもらうため、単品や限られた複数の商品をワゴン棚に大量に陳列することが多いです。例えば、カップ麺コーナーのエンドには新商品や広告で話題の商品などが置かれていますよね!
(出典:COUNTERWORKS(2023)「お客様を惹きつける『磁石売場』とは」)
第四マグネット
第四マグネット売場は、陳列棚の間の通路部分にあります。
(出典:COUNTERWORKS(2023)「お客様を惹きつける『磁石売場』とは」)
主通路からお客さんを引き込むため、POP広告などで興味を引いたり、前述した第3マグネット売場との関連性を持たせることが重要となっています!
最後に
さて、今回の記事ではマグネット売場について私が調べた内容をご紹介させていただきました。売り場作りは一つの陳列棚で完結させるのではなく、売り場全体でメリハリをつけることが重要であることが分かりました。普段利用しているスーパーでも、マグネット売場に注目してみると新しい発見があるかもしれませんね!
レポーター:滋賀大学株式投資研究会 水上慶一
〈参考文献〉
・東建コーポレーション(2023)「ディスカウントショップとマグネット」https://www.homemate-research-discount-shop.com/useful/18077_shopp_078/,(参照:2023-09-08)
・COUNTERWORKS(2023)「お客様を惹きつける『磁石売場』とは」https://shopcounter.jp/magazine/knowhow/attracting-place-in-shop,(参照:2023-09-08)