(株) I-ne 【4933】


提供(株) I-ne

取材日:2025年5月22日

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①”新しい当たり前”を創る、I-neの物語
②ヒットの商品の裏側!苦労と成功の秘訣
③社長が大切にする「人」と「社会貢献」

株式会社 I-ne
代表取締役社長 大西洋平様(上段右から2番目)
他学生メンバー(後述)

業種
化学
本社所在地
大阪府大阪市中央区南久宝寺町4-1-2 御堂筋ダイビル 8階
市場区分
東証プライム
銘柄コード
4933
現在価格

 

木村
木村

今回の取材記事担当は神戸電子専門学校2年木村帆天です。よろしくお願いします!


どんな会社?

提供:(株) I-ne

I-ne(アイエヌイー)は、シャンプーやスキンケア、美容家電まで手がける “ものづくりチーム” です。2007年に大阪で生まれてから、いまや15以上ものブランドを展開しています。

ジェンダーレスなデザインで展開し、美容をぐっと身近にした【SALONIA】ナイトケアビューティーブランド【YOLU】など 業界に新しい風を送り込んできました。

社名の I-ne は “Innovation Never Ends”──イノベーションに終わりはない、という想いの頭文字。つねにワクワクする発想で、美容の楽しさをアップデートし続けるファブレスメーカーです。

ファブレスとは?

 製造工場を自社で保有せず、設計や開発に特化するビジネスモデルを指します。ファブレスメーカーは、製品の企画・設計・開発に専念し、実際の製造工程は外部の協力工場に委託します。このような経営方式を「ファブレス経営」と呼びます。

ファブレス経営は、設備投資などの初期コストを抑えながら、柔軟かつスピーディーに商品開発ができるため、ブランド力やマーケティング力のある企業にとっては高い収益性を実現できるモデルとして注目されています。
一方で、製造を他社に委託するため品質管理や供給リスクのコントロールが課題となることもあります。そのため多くのファブレス企業では、信頼できる製造パートナーとの関係構築や、独自の品質基準、複数工場の確保といったリスクヘッジ策を導入し、安定した供給体制とブランド価値の維持に努めています。


“新しい当たり前”を創る、I-neの物語

木村
木村

工場を持たない“ファブレス”という形には、どのような理由があるのでしょうか?

僕たちは、自分たちの強みを最大限活かすために、製造工程はあえて外部に委託し、企画・開発・マーケティングに集中する”ファブレス“の形を取っています。大手メーカーの研究開発出身のメンバーも多く、彼らがOEM工場と直接連携し、本当に良いものを生み出す体制を整えています。
大西社長
大西社長
OEM工場ってなに?

OEM工場とは、自社ブランドではない製品の製造を委託を受けて行う工場のことです。他社ブランドの製品を製造すること、またはその製造を行う企業を指します。つまり、製品の企画や開発、販売は委託する側が担い、製造だけを委託先であるOEM工場が行う仕組みです。

木村
木村

商品のクオリティも、そうした連携によって高まっているんですね。

そうです。そして何より、「どこに強みを持つか」が大事なんです。僕たちはデジタルマーケティングE-Commerce、そしてクリエイティブの力に強い自信があります。もし自社で工場を持つと、製造という新たな強みが必要になる。だからこそ、今は自分たちの得意分野に集中して、ヒット商品を次々に生み出すことに全力を注いでいます。
大西社長
大西社長
I-neの強み 社員の20%がデザイナー!?
木村
木村

 では、I-neならではのマーケティングやデザインの特徴って何ですか?

まずデザイン面で言うと、I-neの社員の約20%約80人がデザイナーというのが大きな特徴です。これはファブレス企業としては非常に珍しいです。
大西社長
大西社長
木村
木村

そこまで多くのデザイナーを社内に抱える理由は?

まだ使ったことのない商品を購入してもらうためには「第一印象」が非常に重要です。だからこそ、商品パッケージから広告ビジュアル、店頭POPまでを社内で一貫して手がけ、ブランドごとの世界観を保っています。これにより、記憶に残る体験をお客様に届けられるんです。
大西社長
大西社長
木村
木村

デザインの統一とスピード感が、ヒット商品につながっているんですね。

その通りです。外部に委託していたら3週間かかるものが、社内だと1〜2日で修正・実装できます。このスピードと柔軟性こそが、I-neのクリエイティブ力の本質です。
大西社長
大西社長

ヒット商品の裏側!苦労と成功の秘訣

 

SALONIA(サロニア)は、ヘアケアやスキンケアなどの幅広い美容家電を、高機能でありながらお求めやすい価格で展開。 髪ダメージを軽減するヘアアイロン、速乾性が高くツヤ髪になれるドライヤー、筋トレ発想の美顔器EMSリフトブラシなどがあります。 性別や年代問わず使いやすく、インテリアになじむシンプルなデザインも魅力。

提供:(株) I-ne

提供:(株) I-ne

BOTANIST(ボタニスト)は、「植物と共に生きる」をコンセプトにしたライフスタイルブランド。 ヘアケア、ボディケア、スキンケアなど、植物由来の成分を配合したやさしい商品づくりや環境に配慮したバイオマス容器などを採用し、 累計出荷数1.9億個を突破するなど高い支持を獲得しているI-ne発のサステナブルビューティーブランドです。

YOLU(ヨル)は、夜間の限られた時間を濃密な美容タイムに変える「夜間美容」をコンセプトとしたナイトケアビューティーブランドです。 睡眠中の乾燥や摩擦ダメージに着目し、寝ている間にケアすることで、翌朝感動するような仕上がりをヘアケアをはじめ、ボディケアでも提供しています。 おやすみ前にぴったりなアロマティックフレグランスも魅力の一つです。

提供:(株) I-ne

木村
木村

ここまで順調に成長されてきたように見えますが、苦しかった時期もあったのでしょうか?

実は2017年からの2年間が、創業以来最大の試練でした。BOTANISTのヒットで売上が急増し、50人だった組織が3年で300人へと急拡大したことで、社内の連携や価値観の共有が難しくなったんです。
大西社長
大西社長
木村
木村

どのような問題が起きたのでしょう?

新ブランドを大量に立ち上げたものの、社内での情報連携がうまくいかず、調査不十分な発注、効果検証されない広告など、現場でさまざまな混乱が起こりました。結果的に、10以上のブランドをリリースしてもヒットせず、数十億円の不良在庫と30%の社員離職を招いてしまいました。
大西社長
大西社長
木村
木村

本当に大変だったのですね……。その中で、どうやって再起を図ったのですか?

ヒットを再現する仕組み『IPTOS』とは?

提供:(株) I-ne

大きな転機となったのが、自社独自のブランド開発プロセス『IPTOS』の確立です。
大西社長
大西社長
木村
木村

IPTOS?どんな内容なんですか?

IPTOSは、Idea(アイデア)→ Plan(企画)→ Test(検証・需要予測)→ Online/Offline(テスト販売)→ Scale(量産・拡販)という5つのステップで構成される、ブランドマネジメントシステムです。まず、企画段階で過去のPOSデータやSNSトレンドを分析し、需要の芽を予測します。そして、最小ロットで商品を作り、ECと店頭でテスト販売を実施。その結果をもとに、販売戦略を練り直し、広告投資を判断していきます。
大西社長
大西社長
木村
木村

勘ではなく、データに基づいた判断をされているんですね。

そうです。この仕組みで、需要予測の精度は新ブランドのヒット率は75%まで高まりました。YOLUでは、TikTokで話題化を図り、オフラインでの配荷率も90%を突破。オンラインとオフラインを融合させたOMO戦略の成功例でもあります。
大西社長
大西社長
木村
木村

一つ一つのブランドに、検証と改善のプロセスがあるんですね。

はい。「感覚」ではなく、「再現性」で勝負する。I-neの強さの源はそこにあります。
大西社長
大西社長

大西社長が大切にする「人」と「社会貢献」

提供:(株) I-ne

I-neは、社員のことを『Social Beauty Innovators』と呼んでいます。革新的でサステナブルなビューティープロダクトを通じ、人と社会に“Chain of Happiness”を拡げ続けます。悩みを解消し自信を育む喜びや、大切な人への贈り物が生む思い出など、体験そのものが私たちの商品価値。顧客や取引先から地域、地球環境まで、幸せの波紋が連鎖し最大化する未来を目指します。

木村
木村

社員の方とのコミュニケーションで大切にしていることはありますか?

ミッションや価値観をちゃんと言葉にすることはもちろん、それが評価制度にも組み込まれているので、社員も会社の目指す方向に沿って行動してくれます。
大西社長
大西社長
木村
木村

社員の皆さんが、社長の発信を「自分ごと」として受け取れるように、発信の際に意識されていることはありますか?

僕自身も、週に1回全社チャットで考えていることを発信したり、月に1回の全社総会で社員に話したりして、会社の想いを伝え続けています。社員からの意見を聞くために『社長目安箱』というものもあって、そこで出た疑問には一つ一つ丁寧に答えるようにしています。社員が納得感を持って仕事に取り組めるように努力していますね。
大西社長
大西社長
木村
木村

社会貢献活動にも力を入れていると聞きましたが、どんなことをされているのですか?

I-neでは、商品を通して社会や地球に良い影響を与えたいと考えています。例えば、『BOTANIST』ではボタニスト財団を作り、植物を守る活動をしています。『YOLU』では星空を守る活動をしています。
大西社長
大西社長
木村
木村

社員のボランティア参加率が非常に高いとのことですが、そこまで根付いた背景にはどんな工夫や文化づくりがあるのでしょうか?

会社の売上が大きくなればなるほど、社会貢献できる範囲も広がるので、社員もやりがいを感じてくれます。社員のボランティア参加率が約80%と非常に高いのも特徴です。
大西社長
大西社長
木村
木村

 80%!? それはすごいですね。

この前は、『スポごみ』というゴミ拾いイベントを社員みんなでやったのですが、ゴミ拾いをスポーツと捉えて、チーム対抗でゴミの重さを競ったんです。みんな夢中になってゴミを拾っていて、すごく盛り上がりました!ダイエットにもなるし、街もきれいになるし、部署を超えた交流も生まれるので、いいことずくめでしたね!
大西社長
大西社長

社内にポスターを貼っていただきました!

I-ne の今後!

今後の展望!
木村
木村

最後に、これからのI-neの今後の展望について教えてください。

中期的には、2028年〜2030年にかけて売上1,000億円、営業利益110億円、EBITDA140億円を目指しています。そしてその先には、「日本発のグローバルビューティーブランド」を創出するという長期ビジョンがあります。
大西社長
大西社長
木村
木村

グローバル展開も視野に入れているんですね。

はい。日本の高品質なものづくりと、私たちのマーケティング力やEC戦略を組み合わせて、韓国のように世界に通用する美容ブランドを日本から発信していきたいと考えています。
大西社長
大西社長
木村
木村

具体的にはどんな取り組みをされているんですか?

越境ECの強化で、海外ユーザーが直接日本の商品を買える仕組みを拡充しています。また、インバウンド対応として、訪日観光客が商品に触れてファンになる導線も整備中です。さらに、現地ブランドとのアライアンスなど、海外市場との連携も検討しています。
大西社長
大西社長
木村
木村

 事業領域もさらに広がっていくんですか?

そうですね。これまでのヘアケアや美容家電に加え、スキンケア、柔軟剤、目薬、男性化粧品といった新規カテゴリーにも注力し、さらなる事業の拡大を図っています。
大西社長
大西社長
木村
木村

成長の勢いがすごいですね!これからも楽しみにしています。本日は貴重なお話、ありがとうございました!

詳しいIR情報はこちらから!

学生へのメッセージ!

大西社長よりメッセージ

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木村
木村

 以上、株式会社 I-ne (銘柄コード:4933)の取材報告でした!

木村
木村

 レポーター:神戸電子専門学校 2年 木村帆天
I-ne様は、BOTANISTのボタニカルシャンプーをはじめ、夜間集中ケアの YOLU、サロン品質を自宅で叶える SALONIA など、ライフスタイルを彩る製品を幅広く展開しています。植物由来の処方と洗練されたデザインへのこだわりが、日常に“ちょっといい時間”をもたらし、国内外で多くのファンを獲得してきました。日本発の確かな品質と独創的なマーケティング力を武器に、これからも世界中の人々の暮らしを豊かにする革新的なプロダクトを生み出してくださることを期待しています。

北田
北田

レポーター:甲南大学 4年 北田大夢
I-ne様は、大手が手を出しづらい市場の隙間を巧みに突きながら、独自の戦略で市場を広げていく姿勢に、ベンチャーならではの強さを感じました。
私自身、ボタニストを使用して体の悩みが改善された実感があり、ぜひ多くの方にも手に取って試していただきたいです。今後の新商品や展開にも期待が高まります。

平川
平川

レポーター:甲南大学 4年 平川湧斗
競合は多くいるが伸びているヘアケアの市場で、安過ぎず高過ぎない中価格帯で上質な商品をEC特化で提供するという痛快なアイデアで勝負されているのが、伺っていてとても興味深かったです。国内外を問わず勝負できるI-ne様の今後の成長が楽しみです。

伊藤
伊藤

レポーター:立命館大学 3年 伊藤悠真
I-ne様は、ロングテイルという大手企業が並び一見、レッドオーシャンに見える市場に対して自社の強みであるEC力で活路を見出し、新たな価値を提供されていました。I-ne様の今後のさらなる成長が楽しみです。

取材協力:株式会社I-ne
取材レポーター:北田大夢(甲南大学 3年)
        平川湧斗(甲南大学 3年)
        木村帆天(神戸電子専門学校 2年)
        伊藤悠真(立命館大学 3年)
取材記事担当 :木村帆天 (神戸電子専門学校 2年)
取材SNS担当 :平川湧斗(甲南大学 4年)
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企画・構成・撮影:株のトラ®

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