提供:内外テック(株)
取材日:2024年:12月6日
①半導体の未来を切り開く!内外テックの挑戦と可能性
②業界を支える65年の技術力 内外テックの全貌に迫る
③学生取材で明らかに!内外テックが描くMIRAI 2026
半導体とは、電気を通したり遮ったりする特性を持つ材料で、スマートフォンや電気自動車をはじめとする現代の高性能製品に欠かせない技術でコンピュータの基盤となる重要な部品です。
半導体業界について調べたのですが、とても複雑な印象を受けました。どのような特徴があるのでしょうか?
そうですね。一つの半導体を作るには、非常に多くの企業が連携しています。例えば、設計を担当する企業、材料を提供する企業、組み立てを行う企業など、それぞれ専門分野を持った企業が協力して成り立っています。このようなサプライチェーンの複雑さが、業界を複雑だと感じる理由だと思います。
このサプライチェーンにおける課題はありますか?
サプライチェーンの構造上、どこかの企業でトラブルが発生すると、全体の供給に影響を及ぼすことがあります。
そうですね。例えば、半導体の材料を製造する企業が停止してしまった場合、他の企業にも大きな影響が出そうですね。
その通りです。サプライチェーン全体が密接に連携しているため、特に原材料の供給や製造プロセスの中断は、半導体の供給全体を大きく揺るがす可能性があります。だからこそ、業界全体で安定性を確保する努力が求められています。
半導体市場は、適正な需給バランスだけで決まるわけではないということを、皆さんには理解しておいてほしいです。
どういう意味ですか?
半導体市場は、競争や未来の需要を見越して、シェア拡大を優先するため、需給バランスが崩れやすいのです。この仕組みの背景には、半導体は大量生産しないと利益が出にくいこと、そしてAIなど未来の需要に備える必要があることが影響しています。
つまり、半導体は大量生産しないと利益が出にくいから、大量に発注される。その結果、適正な需要が見えにくくなる、ということでしょうか?
その通りです。そして「未来の需要に備える」という点も重要です。例えば、今AIスマホがあまり売れていなかったとしましょう。そこで「AIスマホは売れないから事業をやめよう」とある会社が判断したら、どうなると思いますか?
将来的にAIスマホが主流になり、市場に認められたとき、その会社の参入は手遅れになってしまいそうですね。
そうなんです。AIの成長は予測できるため、手を出さないわけにはいかないんですよね。こうした背景もあって、半導体の需要は非常に見えづらいんです。
地政学と災害が揺るがすサプライチェーン
アメリカと中国の対立による輸出規制や、自然災害・パンデミックといった予測不能な要因が、サプライチェーンの安定性を脅かしています。世界的な影響を防ぐための対策が重要です。
実際、コロナ禍には多くの企業が供給不足を懸念して半導体を大量に発注しました。しかし、その後需要が落ち着き、余剰在庫が発生したため、在庫調整が必要になりました。
ここまでの内容を踏まえて考える
~半導体業界での内外テックの立ち位置~
提供:内外テック(株)
内外テックは、半導体のパーツ販売から設計、開発、組立、加工、メンテナンスサポート を一手に引き受ける、国内外で希少な企業です。その65年の歴史と培った技術力で、半導体市場のすべてを支える企業です。
半導体がこれほど注目される以前から、この分野で活躍されていたのですね!
そうです。内外テックは長い間、半導体の分野で事業を展開し、現在の市場での強みを築いてきました。半導体は技術の根幹を支えるものであり、その需要は年々拡大しています。これが我々の事業の基盤です。
取材の様子
提供:内外テック(株)
内外テックは、商社と製造の両方の機能を併せ持つ稀有な企業です。販売、設計・開発、組立、加工、メンテナンスサポートといった5つの事業で総合的なソリューションを提供しています。この体制により、付加価値の高い製品とサービスを実現しています。
日本国内で半導体製造装置を作れる企業はほとんどなく、世界的にも希少な存在です。この強みを生かして、グローバル市場でも高い評価を得ています。
さらに、約1,500社に及ぶサプライチェーンを構築し、その広範なネットワークを活用して、顧客にさらなる価値を提供しています。
この広範なネットワークが、内外テックの競争力を支えているのですね!
半導体市場の追い風
提供:内外テック(株)
現在、半導体は国の経済安全保障政策の中核として注目され、国内外での投資が増加しています。情報量の爆発的な増加により、AI市場は加速度的に成長しています。2032年には現在の約5倍。1.9兆ドルになると予想されています。
ビットという言葉をご存じですか?これは情報量を表す単位ですが、ここ数年でこのビットの量が指数関数的に急増しています。この膨大な情報を処理するには半導体が必要です。そのため、この市場は今後もさらに拡大していくと予想されます。
すごいですね。
さらに、半導体業界にはこれまで多くの課題がありましたが、今こそ再び注目される時代が来ています。日本全体でこの分野が盛り上がっていますよ。
日本では、具体的にどのような盛り上がりがあるんですか?
国内で半導体関連の投資が拡大しており、設備投資が日本各地で進んでいます。また、経済安全保障の観点からも国がこの業界に強い関心を寄せているんです。
かつて世界一と言われた日本の半導体が、再び返り咲く可能性があるということでしょうか?
その通りです。今はまさに大きなチャンスかもしれませんね。
社内にポスターを貼っていただきました!
今後の展望
内外テックは、「モノづくりができるメーカー商社」を目指し、積極的に設備投資を進めています。
私たちは現在の商社機能に加え、真空分野で当社オリジナル技術をコアとしたメーカー機能も備えた企業を目指しています。
すごい進化を目指しているんですね。なぜ、メーカーとしての機能を取り戻そうとしているのですか?
かつてメーカーとして半導体業界を支えていました。粗利益率も商社に比べて高いです。企業として成長するために必要な機能です。
メーカー機能を取り戻すにあたって進めていることはありますか?
設備投資を進めています。24年4月には仙台に開発センターを開設、12月には岩手県に開発生産のための土地を購入しました。
「モノづくりができるメーカー商社」に進化するためには必要な投資ですね。
設備投資をするにあたって手厚い株主還元
設備投資を進めると、どうしても一時的に収益が低下する可能性があります。その結果、減収による配当の減少が起こり、株主の理解を得られないケースも考えられます。
そこで内外テックでは、「配当性向30%以上」と「連結株主資本配当率(DOE)3%以上」という2つの配当方針を掲げています。この方針に基づき、業績に応じてどちらか高い方を株主に還元する仕組みを採用しており、最低限の配当を保証しています。
この仕組みにより、株価の変動を抑えつつ、株主からの信頼と理解を得ることに成功しています。内外テックのこうした取り組みには、半導体市場での成長を確実に捉えるという強い思いが込められています。
提供:内外テック(株)
内外テックは、未来を見据えた中期経営計画「MIRAI 2026」を推進しています。この戦略では、「MIRAI」の頭文字を取り、「Market Creation(新市場の創造)」「Innovation(技術革新)」「Resilience(変化への柔軟な対応)」「Alliance(サプライチェーンの連携)」「Integration(価値の統合)」の5つの柱を掲げています。これにより、2030年を目標とした新たな変貌を目指しています。
我々は、5つの柱を掲げ、新しい市場を創造し、技術開発を推進していきます。また、サプライチェーンのリスクに柔軟に対応できる企業を目指し、1500社におよぶサプライチェーンのネットワークを活用して、提携を通じて新たな価値を生み出します。これらを通じて、お客様にさらなるメリットを提供していきたいと考えています。
権田浩一様よりメッセージ
以上、内外テック株式会社(銘柄コード:3374)の取材報告でした!
レポーター:大阪大学 3年 佐々木大成
内外テック株式会社さんは商社機能だけでなく、受託製造も展開しており、とても多角的な事業をされているように感じました。また取材時には学生でもわかりやすく、詳しく半導体について教えてくださりありがとうございました。
レポーター:大阪国際大学 2年 藤山友汰
内外テックの取材を通じ、半導体業界のサプライチェーンが複雑に入り組んでいることがわかりました。業界全体を捉えるには、サプライチェーン全体と政治を含めた包括的な視点が欠かせないと再認識しました!
取材協力:内外テック株式会社
取材レポーター:佐々木大成(大阪大学 3年)
藤山友汰(大阪国際大学 2年)
取材記事担当 :藤山友汰(大阪国際大学 2年)
取材SNS担当 :片野源也(名城大学 3年)
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