
提供:IKKホールディングス(株)
取材日:2024年11月6日
①IKKホールディングスの挑戦と成長戦略
②地域密着で拡大するIKKホールディングスの未来
③理念と多角化で進化するIKKのビジョン

IKKホールディングス株式会社
経営企画室長 兼 購買部 次長 津々木祐輔様
他学生メンバー(後述)
業種 | サービス業 |
本社所在地 | 〒811-2245 福岡県糟屋郡志免町片峰3-6-5 |
市場区分 | 東証プライム |
銘柄コード | 2198 |
現在価格 | こちら |

今回の取材記事担当は大阪国際大学2年 藤山友汰です。よろしくお願いします!

IKKホールディングスは、ウェディングを中心に多彩な事業を展開するブライダル業界のリーダーです。主力のウェディング事業が売上の約95%を占める中、介護事業、食品事業、そしてフォトウェディング事業にも力を入れています。
提供:IKKホールディングス(株)
介護事業
佐賀県でスタートし、「地元愛」を大切にしながら、現在4つの施設を展開しています。佐賀の皆様に支えられて来たので、少しずつ恩返しをしていきます。地元に根ざした活動を通じて、地域の皆様に「ありがとう」の気持ちをお届けしています!
IKKホールディングスの強み!
IKKホールディングスは、結婚式業界での地方戦略に自信を持つプロフェッショナルです。都市の良さは人口が多いことですが、地方には競合が少なく、広告費や地代もお手頃。自然豊かなロケーションで「ここでしか味わえない特別な結婚式」を実現できるのが強みです。

提供:IKKホールディングス(株)
さらに、地域の口コミが評判を後押し。「あそこの式場、すごくいいらしいよ!」という噂が広がりやすいのも地方ならではの魅力。小さな街・伊万里市(人口5万2000人)で培った経験は、IKKにとって大きな強みとなっています!
一方、フォトウェディングでは人口密度が重要。結婚式より単価が低い分、多くの顧客を必要とするため、出店は人口が多い都市部が中心。サービスごとに戦略を使い分け、地方でも都市部でもしっかりとビジネスを拡大しています。

さらに戦略という点でもう一つ注目する点があります。IKKは特に「大人数の結婚式」に特化していることです。IKKの結婚式の平均ゲスト数は68名と、業界標準より多いのが特徴です。首都圏の平均である50名に対し、ゲスト数が20名増えることで総額が60万円もアップするため、地方エリアのゲスト数が多い特性を踏まえ、この大人数を戦略的に取り込んでいます。
IKKホールディングスの結婚式は、業界平均の300万円より約100万円高い設定です。この価格設定に見合う付加価値とは、どのように生まれているのでしょうか。


業界平均より値段が高くても、お客様が納得しているポイントはどんなところにあるんですか?
地方の美しい自然を活かした出店や自治体とのコラボレーションに成功しています。これが満足のポイントです。


具体的にはどのようなサービスになっているのですか?
当社は地方自治体の公募案件を獲得し、例えば富山の関水公園「恋人の聖地」では、特別な結婚式を提供しています。普通ではあり得ない結婚式が、当社では実現できます。


そうした点が、お客様の満足につながり、他社との差別化や競争優位性にもなっているんですね!

提供:IKKホールディングス(株)

提供:IKKホールディングス(株)
実は、大阪城公園内にもIKKが手掛ける結婚式場があります。特別なロケーションに、都会の便利さと自然の美しさが組み合わさった会場として人気を集めています。年間400組以上の結婚式が行われており、自治体の協力で土地をお手柄な金額で借りられるため、収益率も高くなっています。大都市では「自治体とのコラボ×特別な立地」という戦略でブランドを拡大し、大人数での結婚式も可能に。高稼働と好立地で、お客様にもご満足いただいている、最高のロケーションです。

地方では、自治体とのコラボ案件がすでに8店舗展開され、都会でもさらに拡大を続けています。この戦略を可能にしているのは、IKKの人と人との強固なネットワークと、圧倒的なブランド力があるからこそですね!

IKKは就職人気ランキングに上位で乗っていたりします。これは理念経営が深く根付いているからだそうです。

理念経営でどんな効果があるのでしょうか?
就職活動の際には、ぜひIKKのブースに立ち寄ってみてほしいです。きっと、異常なほどの熱量に驚くと思いますよ。『何あそこ?』と注目されるくらい、キラキラしたスタッフがいて、そういう人材であふれているんです!


その熱量が伝わっている結果かもしれませんね。具体的にはどんな取り組みをされているんですか?
毎朝、理念を唱和し、その理念に沿った行動を話し合うんです。普段から理念を意識して働いていないと、語ることができないんですよ。また、月に1度は全社員がオンラインで社長の話を聞いて、理念や行動指針をアウトプットする時間もあります。さらに、半年に一度、丸一日8時間かけて理念を深く考える研修もあります。


どんどん出てきますね!
理念をただの考えにとどめず、実際の行動に移す。それが、この地位を維持できている理由だと思います。

IKK流“ガチ”の理念教育〜畑に捨てた引き出物~
IKKホールディングスでは、理念を掲げるだけでなく、心に刻み込む工夫が満載です。たとえば、「引き出物300名分を畑に捨てた話」。90年代、300名分の引き出物を渡し忘れる大失敗をした際、会長は「絶対に同じミスを繰り返さない」とすべてを隣の畑に廃棄。寄付もまかない利用もせず、強い覚悟を示しました。
IKKホールディングスの業績好調の理由は、店舗展開の拡大と収益構造の工夫にあります。コロナ禍で一時的に減少した結婚式の組数も、今年から再び増加し、新店舗が続々とオープン。地域密着型の店舗づくりでトップシェアを獲得し、安定した集客力を発揮しています。

毎年店舗が増えていることと。地域で大きなシェアを獲得していることから組数が減っていない。ということがこの売り上げにつながったのですね。
それと、営業利益が落ち込むことを想定して、昨年の8月に購買部というものを設立してパートナー様との取引での割引率や、1つ1つの取引額について厳しく管理をしました。


徹底していますね。
そうなんです。あとは人件費を抑えるということで、社員が複数の役職を兼任することで、効率化を図っています。攻めるところは攻め、守るところはしっかり管理することで、最高の売上と利益を達成しているんですよ。


提供:IKKホールディングス(株)
NEXT 今後の展望
IKKホールディングスが目指す中長期的な展望は、4つの柱に基づいた大胆なビジョンです。それは単なる拡大ではなく、IKKらしさを生かした「ワクワク」を国内外に広げること。具体的には以下の4つの柱があります。
まず、1つ目は「ウェディングのブランド化」。これまではお客様に自然とブランドとして愛されてきたIKKですが、今後は国内でも、海外でも、さらにフォトウェディングも含めたブランディングに本腰を入れていく計画です。


海外展開ですか?
インドネシアでの事業拡大を進めています。現在、婚礼実施組数は100件を超えました。この市場が魅力的だと感じた理由は、参入当時、人口が日本の倍、平均年齢も29歳と非常に若かったことです。さらに、文化的に結婚式を大人数で行う習慣があり、日本の平均50名に対して、インドネシアでは800名や1000名規模の結婚式も一般的です。また、90%の人が結婚式を行い、政治的な規制も少ないため、総合的に見てインドネシアを選んでよかったと感じています。


単価は日本と変わらないですか?
インドネシアの結婚式の費用は約400万円ですが、会場や料理などのパートナー企業への支払いも含まれています。当社はウェディングの企画に特化し、実際のサービスはすべて外部に委託しているため、売上のほとんどが粗利益になります。この収益性の高さも大きな魅力です。


他の企業は参入してこないのでしょうか?
おそらく難しいと思います。リソース的に厳しいでしょう。現在、IKKはインドネシアで6店舗を運営していますが、ほとんどが借りスペースでの運営です。今後は自社式場を増やし、『ここでしかできない結婚式』を実現する予定です。

フォトウェディング事業
フォトウェディング事業はIKKの成長エンジンです。フォトウエディングの市場規模は、わずか2年で800億円から1,000億円規模へと急成長中。「アンビオーネ」ブランドで2021年にスタートし、わずか3年で大阪・名古屋のトップクラスに。地域トップの地位を確立しました。まもなく3店舗目のオープンの見込みもあります。フォトコンテストで受賞歴のある実力派フォトグラファーたちが在籍しています。結婚式の感動シーンを取り入れた、まるで“ちょっとした結婚式”のようなフォトウェディングを提供しています。今後も人口50万人以上の都市でさらなる店舗拡大を予定しています。
2つ目は「食品事業の拡充とブランド化」。2020年に食品事業として設立された明徳庵は、引出物・引菓子を中心に、ECサイトでの販売、さらには空港・駅・高速道路サービスエリア等でのお土産としての販売等、販路を拡大しながら認知度向上を目指します。

提供:IKKホールディングス(株)
主力の引出物・引菓子は、結婚式を挙げる新郎新婦様の40%~50%が明徳庵の商品を選ぶほどの人気を集めています。将来的にはスイーツビレッジをつくり、観光地となるような場所へと成長させる構想も。今後も、お客様が笑顔になる商品をつくり続けます。
食品事業
食品事業は現在の売上はまだ1.2%ですが、来年には自社工場「ラボ」を設立し、自社製のお菓子でコスト削減と品質向上を狙います。「IKKならではの美味しさ」を広めるため、新商品開発にも積極的に挑戦中です!
3つ目は「ホテルとカフェ事業の拡大」。新たに参入するホテル・カフェ事業で、新しいライフスタイルの提供を図ります。ウェディング事業とのシナジーを生かし、特別な時間を楽しめる空間作りを目指しています。

最後に、これら3つの柱を掛け合わせた「観光産業への進出」です。IKKは、ウェディング、食品、ホテルを通じて日本を代表する観光産業へと進化し、日本のみならず世界を「ワクワク」させる存在になることを目指しています。
津々木祐輔様よりメッセージ

以上、IKKホールディングス(銘柄コード:2198)の取材報告でした!

レポーター:甲南大学 3年 北田大夢
IKKの取材を通じて、企業の理念や独自の取り組みを深く理解できました。特に、顧客のニーズに寄り添ったサービスや、社員の働きやすい環境づくりへのこだわりが印象的でした。現場の声を直接聞くことで、企業の強みや課題がリアルに伝わり、今後が楽しみです。

レポーター:名古屋大学 2年 稲葉琉斗
アイケイケイさんは社内での理念の浸透がものすごく徹底されているといった印象を受けました。そこがプロの調理人やプロのカメラマンを交えて素敵なウエディングを行えている秘訣なのかなと感じました!

レポーター:大阪国際大学 2年 藤山友汰
津々木さんと初めてお会いしたとき、とても素敵な笑顔で非常に温かい印象を受けました。IKKはブライダル事業を中心に展開している企業ということもあり、おもてなしの心が社内文化に根付いていることを強く感じました。取材を通して、細部にまでこだわったサービスと心遣いが随所に見られ、IKKの強みを実感しました。
取材協力:アイ・ケイ・ケイホールディングス
取材レポーター:北田大夢(甲南大学 3年)
稲葉琉斗(名古屋大学 2年)
藤山友汰(大阪国際大学 2年)
取材記事担当 :藤山友汰(大阪国際大学 2年)
取材SNS担当 :片野源也(名城大学 3年)
当ホームページは株のトラ®独自の見解が含まれており、特定銘柄の推奨や株価の上昇または下落を示唆するものではありません、最終判断はご自身にて行って下さい。
本記事の内容の著作権は株のトラ®に帰属します。
企画・構成・撮影:株のトラ®

企業様へ
『学生向け上場企業レポート』取材希望の企業様は未来金融研究部(kabutora@k-tora.com)までお問い合わせ下さい。
※投資にさらに興味を持ってもらうことを目的としているため、市場は問わず上場企業様の取材をさせて頂いております。