(株)松風 【7979】

提供:(株)松風

①京都伝統工芸”清水焼”から「人工の歯」へ―歯科医療の「当たり前」を作る
②技術力・ブランド力・ネットワークで選ばれる強みとは
③「歯」から「全身の健康」へ―世界を目指す

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株式会社松風
代表取締役社長 社長執行役員 髙見 哲夫様(上段右から3番目)
取締役 専務執行役員 総合企画担当 山嵜 文孝様(上段右から1番目)
総合企画部 主任 橋本 典子様(上段左から1番目)
総合企画部 IR担当 二宮 実香子様(上段左から2番目)
人事部 人事課 村瀬 佳奈子様 

他学生メンバー(後述)

業種
精密機器
本社所在地

〒605-0983 京都市東山区福稲上高松町11

市場区分
東証プライム
銘柄コード
7979
現在価格

 

木村
木村

今回の取材記事担当は神戸電子専門学校 2年 木村帆天 です。よろしくお願いします!

事業内容 ― 歯科医療の「課題」を解決する

松風は、歯医者さんや歯科技工士さんが使う「歯科材料」「機械」を作っているメーカーです!

歯医者さんが患者さんの口の中で直接使う材料や機械です。
・虫歯を削った穴に詰める「レジン」(光で固まる白いペースト)
・詰め物や被せ物を歯にくっつける「接着剤」
・歯を削る機械の先端につける「ダイヤモンド研削材」(ドリルの刃のようなもの) などを手がけています。

1.歯科診療用(歯医者さん向け)

2. 歯科技工用

一方、歯科技工士(しかぎこうし。歯や入れ歯を作る職業)さん向けには、入れ歯や被せ物を作るための材料や機械を提供しています。
・入れ歯に使われる「人工歯(じんこうし)」
・入れ歯のピンク色の歯ぐき部分になるプラスチック
・人工歯を削ったり磨いたりする機械 など、幅広い製品を提供しています。

歯科材料の技術を応用し、ジェルネイルなどのネイルケア製品も開発・販売しています。 光で固めるジェルネイルの技術は、歯の詰め物(レジン)を光で固める技術と共通点が多く、口の中に入れても安全な材料開発で培った「安全性」「品質」のノウハウを活かしています。

3.ネイル事業

木村
木村

人工の歯だけでも、約9900種類もあると聞いて驚きました!

どんな患者さんにもピッタリ合うように、大きさを揃えています。プロが最高の仕事ができるよう、材料から機械までトータルでサポートするのが私たちの事業です。原点は、昔、日本人の骨格に合う高品質な歯の材料がなかったという『課題』を解決することでした。

髙見社長
髙見社長
木村
木村

なるほど!そして、歯医者さん向けだけでなく、ネイル事業も展開されているんですね!

そうです。歯科医療で培ったペーストを固める技術を、ネイルの分野に応用しています。

髙見社長
髙見社長

施術の体験をさせて頂きました!

企業理念

創造的な企業活動を通じて世界の歯科医療に貢献する

強み ― 100年の歴史と「陶器」から生まれた技術力

提供:(株)松風

松風は1922年に京都で創業しましたが、最初は清水焼などの「陶器(清水焼)」の会社でした。 その陶器を焼く精密な技術を応用して、日本人の骨格に合う日本初の高品質な人工歯「高級陶歯(とうし)」を開発しました。これが松風の「技術力」の原点です。

木村
木村

お皿から歯、というのはすごい発想の転換ですね!

はい。この「陶器」の技術、つまり無機材料を精密に扱う技術を進化させ、歯の詰め物(レジン)に混ぜる特殊なガラスの粒「S-PRGフィラー」という独自技術も生み出しました。

髙見社長
髙見社長
木村
木村

「S-PRGフィラー」ってどういうものですか?

簡単に言うと、「詰め物をした歯が、さらに虫歯になりにくくなる」技術です。この粒が、口の中でフッ素など6種類のイオン放出したり、取り込んだり歯を強くしたり虫歯菌を付きにくくしたり、虫歯菌が出す「酸」を中和し、歯を守ってくれるんです。

髙見社長
髙見社長

松風の強みは、ユニークな材料開発力です。 代表的な技術が、歯の詰め物などに混ぜ込む特殊なガラスの「S-PRGフィラー」です。

提供:(株)松風

S-PRGフィラーって、どういう仕組み?

S-PRGフィラーは、口の中の環境を整える「お助けキャラ」のようなものです。虫歯菌が「酸」という攻撃をしてきても、フィラーからから放出されたイオンで中和。防御だけでなく、歯を硬く(再石灰化)してくれます。

提供:(株)松風

松風の「ブランド力」は、100年かけて築いた「信頼」の歴史です。創業時に日本初の高品質な人工歯でプロの課題を解決して以来、「松風なら安心」という評価を現場で獲得。戦争中には国の依頼で「陶器のお金」を製造したほど技術力は公にも認められ、プロに選ばれ続けること自体が強みとなっています。

木村
木村

100年以上も選ばれ続けるのはすごいことです。

ありがとうございます。私たちの「技術力」は、そのまま「信頼」の歴史になりました。 戦争中は金属不足から、国の依頼で「陶器のお金(陶貨)」を作っていたほど、その精密加工技術は当時から国にも認められていたんです。

髙見社長
髙見社長
木村
木村

お金も作られていたのですね!

はい。創業時の「陶歯」以来、歯科医師や歯科技工士というプロの先生方から「松風なら安心だ」「高品質だ」と選んでいただける関係性を100年間築いてきたこと。それこそが、私たちの最大の資産であり「ブランド力」です。

髙見社長
髙見社長

提供:(株)松風

松風の製品は日本国内だけでなく、世界中で使われており、売上の約6割は海外です。 アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、世界100カ国以上に松風製品を提供しています。

今の売上の約6割は海外です。アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、世界100カ国以上に松風製品を提供しています。

髙見社長
髙見社長
木村
木村

売上の半分以上が海外なんですか!

はい。先進国にはより高機能で美しい製品を、新興国には安全で使いやすい製品を、と世界中のニーズに応えています。このグローバルな販売「ネットワーク」と、そこで得られる情報も我々の大きな強みです。

髙見社長
髙見社長

社内にポスターを張っていただきました!

今後の展望 ― 歯から「全身の健康」へ

(1)「全身の健康」への貢献

松風が目指すのは、「歯の健康」を通じて「人々の全身の健康」に貢献する未来です。

木村
木村

歯の健康が、全身に関係あるんですか?

近年「歯周病」「糖尿病」「認知症」など、全身の病気と深く関わっていることが分かってきました。口は全身の健康の入り口なんです。

髙見社長
髙見社長
木村
木村

そうだったんですね!

「歯を治す」ことが、その人の将来の大きな病気を防ぎ、健康寿命を延ばすことにつながります。私たちの役割は、ますます重要になると考えています。

髙見社長
髙見社長

松風には素晴らしい技術や面白い歴史があるのに、それをうまく世の中に伝えられていませんでした。 今後は、歯医者さんだけでなく、皆さんような若い世代にも、「歯の大切さ」「松風のおもしろさ」をもっと知ってもらえるよう、情報発信を強化していきます。 また、次の100年を担う若い世代の育成にも力を入れています。

(2) 情報発信と人材育成

取材の様子

学生へのメッセージ!
木村
木村

以上、株式会社松風(銘柄コード:7979)の取材報告でした!

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北田
北田

レポーター:甲南大学 4年 北田大夢
松風さんを訪問し、人工の歯が昔は木で作られていたことに驚きました。また、セラミックなどこれまでの知見を生かしてネイルなどの新たな事業にも参入されている点が、とても美しいビジネスモデルだと感じました。さらに、世界シェアも高く、今後の成長がますます楽しみな企業だと思いました。

國本
國本

レポーター:甲南大学 2年 國本倖生
松風さんに対面で取材させていただき、歯科材料を中心とする専門性の高い分野でありながら、人々の健康と笑顔を支えるという強い使命感を感じました。また、製品の品質や安全性を重視するだけでなく、歯科医療の現場に寄り添い、課題を共に解決していく姿勢を大切にしていることが印象的でした。今後も、より多くの人々の生活の質を高めていく存在であると感じました。

中村
中村

レポーター:甲南大学 2年 中村里菜
松風さんの取材を通して、歯科材料の分野が幅広く、医療だけでなく美容やネイルなど日常に近い分野にも広がっていることに驚きました。そして社員の方々が「人の健康や笑顔を支えること」に誇りを持っている様子から、社会貢献性の高い企業であると感じました。

木村
木村

レポーター:神戸電子専門学校 2年 木村帆天
今回の松風さんの取材では、ものづくりの原点と、新しいことに挑戦し続ける姿勢の両方を強く感じました。
人工歯の歴史に始まり、そこで培われた技術をもとにネイルなど新たな分野へと展開されている点がとても印象的でした。1つの技術を磨き上げ、それを次の領域へとつなげていく技術の継承と応用力こそが、松風さんの最大の魅力だと感じました。世界で活躍する日本企業として、今後のさらなる成長が心から楽しみです。

取材協力:株式会社松風
取材レポーター:北田大夢(甲南大学 4年)
        中村里菜(甲南大学 2年)
        國本倖生(甲南大学 2年)
        木村帆天(神戸電子専門学校 2年)
取材記事担当 :木村帆天(神戸電子専門学校 2年)
取材SNS担当 :木村帆天(神戸電子専門学校 2年)
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最終判断はご自身にて行って下さい。
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企画・構成・撮影:株のトラ®

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