提供:(株)伊藤園
取材日:2025年8月5日
①「お客様第一主義」の飲料メーカー
②こだわりの無糖飲料「お~いお茶」
③世界のティーカンパニーへ!

提供:(株)伊藤園
株式会社伊藤園(以後伊藤園)は、「お客様第一主義」を経営理念とする飲料・茶葉製品メーカーです。飲料関連事業が売上全体の約9割を占めており、その中の約7割を茶系飲料が占めています。主力製品は、茶系飲料の「お~いお茶」や「健康ミネラルむぎ茶」、野菜飲料の「1日分の野菜」、さらに「TULLY’S COFFEE」ブランドの飲料など多岐にわたっています。また、タリーズコーヒージャパン株式会社を子会社化しており、飲食関連事業にも力を入れています。健康志向と多様な商品展開を強みに、国内外の市場を拡大しています。
企業理念
お客様第一主義
1970年代、有糖製品が主流だったなか、伊藤園は「いつでもどこでも、自然のままのおいしさで緑茶を味わってほしい」という思いから、持ち運べる緑茶飲料の開発に着手しました。最初の試作から約10年の歳月を経て1985年に世界初の緑茶飲料「缶入り煎茶」を開発しました。酸化や劣化を防ぐ技術を開発し、「お〜いお茶」でも自然な味わいを実現し、無糖茶市場を創造しました。
![[世界初の緑茶飲料] 850201 「缶入り煎茶」190ml缶_伊藤園](https://mirakin.jp/wp-content/uploads/2025/09/世界初の緑茶飲料-850201-「缶入り煎茶」190ml缶_伊藤園-819x1024.png)
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「お~いお茶」は日本の緑茶飲料市場において、長年にわたりトップシェアを誇る人気商品です。現在40以上の国と地域で販売しており、1989年の発売以来、累計販売本数は450億本※1を突破しています。
(※1500mlペットボトル換算/2024年12月末時点)

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素材へのこだわり
「お~いお茶」は変わらない美味しさを実現するため国産茶葉のみを使用しており、茶産地育成事業※2を通して、各地の茶農家の方々が専用の茶園で伊藤園向けの茶葉を栽培しています。また、伊藤園の“茶師”が長年の経験を活かして、茶葉の色や形状、蒸し方、産地などの特徴を見極めながら、火入れの温度や時間を調整しています。
(※2荒廃農地などを積極活用して、“新たに”茶園を造成してもらう「新産地事業」と“既存の”茶農家に当社向け茶葉を生産していただく「契約栽培」のこと。)

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「お~いお茶」に触れる酸素量を減らす仕組み
お茶は酸素に触れることで風味を損なってしまいます。そのため、お茶抽出液中の酸素量を0.0003%以下に抑える“「新・フレッシュ無酸素充填」製法”を開発し、酸素を液中からもペットボトルからもできるだけ取り除き、鮮度を守っています。

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ペットボトルにも工夫が!
店頭に並んでいる間に強い光が当たり続けることで、「お~いお茶」のおいしさが損なわれてしまいます。そこで、ペットボトルに70本の切れ込みを入れ光を乱反射させて光を逃がしています。ここにも、 お〜いお茶のおいしさを守る工夫があります。
伊藤園は「お~いお茶」を海外に進出させ広めたいという思いから、2001年に北米に進出しました。

なぜアジア地域ではなく北米に進出したのですか?
約30年前のアジアと北米では、新興国と先進国という大きな差があり、新興国では労働力が必要であることから甘いものが主流でした。一方で、先進国である北米では、健康志向が高まり、緑茶をはじめとする無糖飲料の需要があると見込んだためです。

2006年に飲食店の経営、フランチャイズ展開するフードエックス・グローブ株式会社(現:タリーズコーヒージャパン株式会社)を連結子会社化しました。「地域社会に根ざしたコミュニティーカフェとなる」を理念に、一杯一杯手作りの本格的なコーヒーと寛ぎの空間を提供しています。タリーズはアラビカ種のコーヒー豆を厳選し、品質や焙煎度合いを徹底管理しています。これにより、誰が淹れても「変わらない味」を提供できる仕組みを持っています。

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コロナ禍を経て、日本と同様に海外でも健康志向が高まりました。こうした背景の中、特に抹茶は海外で大きなブームとなっており、スーパーフードのような形として受け入れられて日常的に取り入れられるようになっています。これを追い風に、伊藤園ではインバウンド向けに抹茶製品の製造・販売を強化しています。振ってつくる体験型の抹茶飲料を開発し、駅や空港などを中心に販売、また大阪・関西万博限定の製品も販売しています。
伊藤園は、「世界のティーカンパニー」になることを目標にグローバル展開を加速させています。「お~いお茶」のグローバル化に向けて日本市場での圧倒的シェアを維持しつつ、2029年4月期には世界60か国以上への展開を目指す中期経営計画を推進しています。現在は売上の約9割が日本市場ですが、世界各地のお客様の健康で豊かな生活を創出すべく、海外展開を強化しています。

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子会社であるタリーズコーヒージャパン株式会社はコンセプト店舗や、紅茶メニューを拡充した「タリーズコーヒー &TEA」など、話題性のある出店が順調に進み業績が好調です。2025年4月末の総店舗数は818店舗となっていますが、2030年4月期までに1,000店を目標としています。

以上、株式会社伊藤園(銘柄コード:2593)の取材報告でした!

レポーター:法政大学 2年 五十川瑠奈
伊藤園様が世界で初めて無糖茶飲料を発売されたことを知り、その革新性と飲料業界に与えた大きな影響に驚かされました。さらに、商品の品質に徹底してこだわり、素材を大切にされているというお話がとても印象に残っています。こだわりを持ちながらも市場のニーズを的確に捉え、柔軟に対応される姿勢こそが、長く愛される商品を生み出す秘訣であると感じました。

レポーター:甲南大学 4年 北田大夢
今回の取材を通じて、伊藤園さんが「世界で初めて無糖茶飲料を生み出した先駆者」であることを改めて実感しました。「お~いお茶」をはじめ数々のヒット商品は、ただ飲みやすいだけでなく、お茶の文化そのものを生活に根付かせた存在だと思います。さらに、今後の「お~いお茶」の海外展開にも期待が膨らみます。日本のお茶文化が世界に広がり、人々の健康や暮らしを支える未来が楽しみです。

レポーター:甲南大学 2年 中村里菜
今回の取材を通じて、長年日本で大手企業として活動されている”伊藤園”の幅広い取り組みについて深く学ぶことができました。お茶や野菜ジュース、健康食品にとどまらず、お茶を淹れる際に出る茶殻を再利用して紙やプラスチックに加工し、メモ帳やプラモデル、自動販売機などに活用している点は特に印象的でした。また、日本文化を支える“MATCHA”を海外に広めるため、様々な工夫を凝らして展開されているお話もとても興味深く、刺激的で楽しい時間となりました。この取材を通じて、長年続くブランド力の裏には日々の努力と挑戦があることを学び、私自身も日々の積み重ねを大切にしていきたいと感じました。貴重なお話をありがとうございました!!
取材協力:株式会社伊藤園
取材レポーター:北田大夢(甲南大学4年)
五十川瑠奈 (法政大学2年)
中村里菜 (甲南大学2年)
取材記事担当 :五十川瑠奈 (法政大学2年)
取材SNS担当 :平川湧斗(甲南大学4年)
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企画・構成・撮影:未来金融研究部

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