
提供:さくらインターネット(株)
取材日:2025年4月3日
①「さくらインターネット」ってどんな会社?ネットの“裏側”を支えるスゴい技術がわかる!
②世界が注目する“計算資源”って何?未来の産業を支えるカギになる!?
③ガバメントクラウド=政府が認めた安心のインフラ基盤!?

さくらインターネット株式会社
代表取締役 田中邦裕様
他学生メンバー(後述)
業種 | 情報・通信 |
本社所在地 | 大阪府大阪市北区大深町6-38 グラングリーン大阪 北館 JAM BASE 3F |
市場区分 | 東証プライム |
銘柄コード | 3778 |
現在価格 | こちら |

今回の取材記事担当は立命館大学3年 伊藤悠真です。よろしくお願いします!
さくらインターネット
さくらインターネット株式会社は、29年前に創業されたIT企業で、日本国内においてビジネスの成長を支えるクラウドインフラやサーバーサービスを中心に提供している企業です。「やりたいこと」を「できる」に変えるという企業理念のもとデジタルインフラを支えています。

事業内容

さくらのレンタルサーバについて教えてください。
さくらのレンタルサーバは、さくらインターネットの中でも国内最大級の利用者を誇る歴史あるサービスで、個人から中小企業まで幅広いユーザー層に支持されてます。機能も充実していて、安定性も高く、気軽に使っていただけるので、日本国内で沢山の方に利用していただいています。 創業当時からサーバーサービスを提供し続けてるので、老舗の安心感が選ばれる理由の一つです。


「VPS」っていうのもありますよね?
VPSとは、「Virtual Private Server(仮想専用サーバー)」の略です。さくらのVPSは、特に開発者・エンジニア層に人気の自由度が高いサーバーサービスのことです。コストパフォーマンスの高さがとても魅力的で、1000円前後から使えて値段も安く、自分で設定を全部変更できるなどカスタマイズもできるので、すごく人気の高いサービスです。


最近話題の「クラウド」も提供していると聞きました!
さくらインターネットが提供する「さくらのクラウド」は、国産のパブリッククラウドサービスです。仮想サーバーやネットワークを自由に構成できます。また、デジタル庁が募集した「ガバメントクラウド整備のためのクラウドサービス」に、2025年度末までに技術要件をすべて満たすことを前提として認定された、信頼性の高いクラウドサービスです。公共機関からの評価も高く、自治体をはじめとする多くの行政機関でも採用されているんです。

ガバメントクラウド!?
政府共通のクラウドサービスの利用環境です。クラウドサービスの利点を最大限に活用することで、迅速、柔軟、かつセキュアでコスト効率の高いシステムを構築可能とし、利用者にとって利便性の高いサービスをいち早く提供し改善していくことを目指します。地方公共団体でも同様の利点を享受できるよう検討が進められています。

AIやGPUを使ったサービスにも力を入れているそうですね?
私たちは生成AI向けクラウドサービス「高火力」という名前で、AIやシミュレーションに使える高性能なGPUサーバーを提供しています。国内でいち早くNVIDIA製GPUの提供に着手し、日本最大規模のGPU運用実績があります。これにより、研究機関や技術者が自らモデルを学習・運用できる環境を整備し、AI分野の技術革新を支えているのです。


提供:さくらインターネット(株)
さくらインターネットでは、AI開発や大規模シミュレーションといった高度な計算処理を必要とする分野に向けて、高性能なGPUサービスを提供している。その中でも特に注目されているのが、特化型のLLM(大規模言語モデル)開発に対応したインフラ基盤としての活用だ。現在、世界中で「計算資源(コンピューティングパワー)」が不足しており、その重要性は日に日に高まっている。かつて「産業の米」と称されたのは鉄や石油だったが、現代の産業におけるそれは「計算資源」だと言えるでしょう。計算資源の供給体制を持つことは、その国の産業力や技術革新を左右するほどに重要な要素となってきています。

取材の様子
強み
さくらインターネットは、既存事業の強みを活かし、幅広い顧客層に向けてサービス展開を進めています。特に、GPUリソースを活用したAIモデル開発支援などでは、技術者や研究者などのプロフェッショナル層からも高い支持を得ています。中でも注目すべきは、GPUリソースを活用したAIモデル開発支援だ。近年では、医療機関向けなど用途を限定した特化型LLM(大規模言語モデル)へのニーズが高まり、同社のインフラはこれらの開発基盤としても注目を集めている。AIの黎明期に必要不可欠とされる大規模な計算資源をいち早く提供することで、日本の産業を根底から支える役割を担っている。また、派手な新規事業開発よりも、「既存の強みを活かし、新たな市場(顧客層)に売る」戦略。口コミや紹介に基づく顧客獲得を得意とし、既存プロダクトの市場開拓に軸足を置く戦略で堅実な成長を続けているのです。

最近、AIっていろんなところで話題になってますよね。でも、日本のAIって、まだあまり進んでないような気もします。
実際、日本のAI産業はこれから本格的に育っていく段階にあります。ただ、そのためには「すぐにお金になることだけ」を考えるんじゃなくて、長い目で価値をつくる企業が増えることがとても大事なんです。


なるほど…。じゃあ、海外の企業は違うんですか?
たとえばアメリカの大手テック企業は、一つの事業に集中して、そこに思い切って投資しているところが多いんです。しかも、すぐに利益が出なくても、将来的に大きな価値が生まれると信じて投資を続けます。日本の企業は、いろんな事業を同時にやってることが多いので、どうしても分散してしまいがちなんです。

AI分野でしっかりと収益を上げられている企業は依然として少なく、ユニコーン企業もなかなか育ちにくいという現状を抱えている。さくらインターネットのように、持続的な成長を前提としながら、自社での技術開発と市場への提供を両立させる企業が増えていくことで、日本全体の産業構造そのものが変わっていく可能性があるだろう。

社内にポスターを貼っていただきました!
今後、さくらインターネットが担う役割は、国内外においてますます重要性を増していくでしょう。特に日本におけるAI産業の発展においては、単なる外部サービスの利活用にとどまらず、自社でAIモデルを開発・製品化していく企業が増えることが不可欠だ。同社の提供する高性能インフラは、こうした取り組みを支える“足場”として、産業全体の底上げに大きく寄与していこうと考えています。
地政学的な観点からも、日本は欧米・アジア双方と安定的な関係を築ける数少ない国の一つであり、クラウドや半導体といった戦略的インフラの拠点としての存在感が高まりつつあります。さくらインターネットは今後、AIや国家戦略に関わる領域でも深く関与し、日本のデジタル主権を支える存在として、ますます注目される企業になるでしょう。
田中社長よりメッセージ

以上、さくらインターネット株式会社(銘柄コード:3778)の取材報告でした!

レポーター:甲南大学 4年 北田大夢
さくらインターネットは、諦めずに挑戦を続けた結果、スタートアップから今の規模にまで成長した点がとても印象的でした。社長のお話からも、利活用だけでなくAIの「開発」に重きを置いている姿勢が伝わり、さらにライバル企業とともに市場を育てていきたいという考え方に、懐の深さを感じました。今後のクラウド・サーバービジネスの展開がますます楽しみです。

レポーター:甲南大学 4年 平川湧斗
ガバメントクラウドに1番に挙手をしたさくらインターネットさんに取材に伺えて、とても光栄でした。日本のAI業界を盛り上げていきたいという田中社長の強い思いを感じられる取材で、とても良い時間となりました。さくらインターネットさんをはじめとしたAI業界の今後の動向がとても楽しみです。

レポーター:立命館大学 3年 伊藤悠真
さくらインターネットは、「やりたいこと」を「できる」に変えるという理念のもと誰かの一歩を応援できるような環境を提供している企業であると強く感じました。また、ビジネスにおいても短期的な視点ばかりでなく、中長期的な良い循環を繋いでいく重要性を学びました。
取材協力:さくらインターネット株式会社
取材レポーター:北田大夢(甲南大学 4年)
平川湧斗(甲南大学 4年)
伊藤悠真(立命館大学 3年)
取材記事担当 :伊藤悠真(立命館大学 3年)
取材SNS担当 :平川湧斗(甲南大学 4年)
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