提供:(株)i-plug
取材日:2024年10月28日
①就活市場の課題に挑む:i-plugの新しい一手
②安定した成長の鍵は?「OfferBox」の優位性に迫る
③“つながりで社会を変える”:i-plugの次なるステージ
株式会社i-plug
代表取締役CEO 中野智哉様
他学生メンバー(後述)
業種 | 情報・通信業 |
本社所在地 | 大阪市淀川区西中島5丁目11番8号セントアネックスビル |
市場区分 | 東証グロース |
銘柄コード | 4177 |
現在価格 | こちら |
今回の取材記事担当は大阪国際大学2年 藤山友汰です。よろしくお願いします!
新卒採用を支援する「OfferBox」というダイレクトリクルーティングサービスを提供しています。これは今までにない次世代型のサービスです!
始めに、i-plugが挑戦する新卒採用市場の現状と課題についてお話します。
提供:(株)i-plug
新卒採用市場では、学生と企業との間に「情報の非対称性」が存在します。たとえば、学生が「A社で働きたい!」と思っても、会社説明会やホームページだけで企業の実情を完全に理解するのは難しいことです。この情報のギャップは、入社後に「思っていた仕事や環境と違った」という理由での離職を引き起こしがちです。
さらに、企業の採用ニーズは多様化しています。特にエンジニアやデータサイエンティストなど、専門性の高い人材の競争は激しく、これらの人材を確保するのは企業にとって大きな課題です。また、知名度の高い大企業に人材が集中し、中小企業や地方企業は学生から関心を持たれにくい状況にあります。採用予算をかけて自社をアピールできる大企業と比べ、中小企業は十分に対抗できないのが現実です。
強み:「OfferBox」はこれらの課題にどう立ち向かうの?
i-plugが提供する「OfferBox」は、学生と企業がインターネットを通じて直接つながるプラットフォームです。学生は自身のプロフィールを登録し、企業からオファーを受け取ります。これにより、学生は今まで意識していなかった企業からのオファーを受け、自分の新しい可能性に気づくきっかけを得ることができます。
提供:(株)i-plug
つまり、今までは学生が企業に応募する形式だったものが、企業が学生にオファーする形に変わるということですね。
そうです!
企業から求められることを実感できると、自信もつきますよね。
そうです。これによって、学生は自分がどんな企業に求められているのかを知ることができ、入社後のモチベーションにも良い影響を与えます。
取材の様子
提供:(株)i-plug
企業側も「OfferBox」を使うことで、ピンポイントで必要な人材にアプローチでき、ミスマッチが減るというメリットがあります。また、エージェントを介さずに直接やり取りできるため、採用プロセスがより効率的になるのも特徴です。
学生が知らなかった企業との出会いを、「OfferBox」が生み出してくれるということですね。
その通りです。料金体系についても、成功報酬型プランでは1人あたり38万円、早期定額プランでは1人あたり25万円で利用可能です。一般的な採用エージェントによる新卒採用費用(約90万円)と比べて、「OfferBox」は約3分の1となっています!
企業が直接学生にアプローチできることで、採用コストの軽減やターゲットに合わせたマッチングが可能になりますね。特に、中小企業や少人数採用を行う企業に適したサービスだと思います!
就活はまさに「椅子取りゲーム」!?
新卒採用の就活は、学生約60万人と企業約25,000社の組み合わせで、なんと150億通りもある「椅子取りゲーム」。この膨大な中から自分にぴったりの企業を見つけるのは、なかなか大変です。
社内にポスターを貼っていただきました!
このサービスには、さらに多くの工夫が施されています。特に、企業からのオファーの質を向上させるために、オファー送信に制限を設けています。これにより、企業は本当に関心を持っている人材を慎重に選び、オファーを送るようになります。
学生側も、オファーが多すぎて混乱せず、キャリアに最適な企業を選びやすくなりますね。
その通りです。無制限にオファーを許可してしまうと、採用活動に大きなコストをかけられる一部の大企業が大量に送信することも考えられます。これでは中小企業が不利になってしまいますので、企業規模に関係なく、フェアに競争できる環境を整えました。
それに、学生はこのサービスを完全無料で利用できるんですよね?
はい、完全に無料で提供しています。
i-plugの強固な優位性
『「OfferBox」は他社も簡単に真似できるのでは?』と思うかもしれませんが、正直に言って難しいです。サービス自体を作ることは可能ですが、継続して成長するためには、規模とデータ活用が重要です。後発の企業は、このデータ活用の面で大規模な投資が必要になり、そのため他社が追いつくのは非常に困難です。
i-plugが参入しているのは、安定成長を見せる新卒採用支援サービス市場です。i-plugはその中でも特に成長している企業の一つです。2024年3月期の売上実績は46億円、利益は約1億3900万円を達成しました。直近5ヵ年のCAGR(年間平均成長率)は約30%で、今後も毎期20%以上の成長を目指しています。
就職活動のシーズンに合わせて売上が伸びるのですか?
そうですね。事業特性上、季節的な波はあります。また、早期定額プランは収益認識のルールが独特で、期の後半にかけて売り上げが増加していきます。これらは構造的に避けられない要素です
季節性があるという点は大事なポイントですね!
人口減少と就活市場への影響
労働人口の減少が懸念される中、少子化の影響が就活市場に現れ始めたのは2019年からです。しかし、大学進学率の上昇で大学生の数は減少しておらず、民間企業への就職希望者も増加しています。結果として、現在の就活市場には急激な減少は見られません。
提供:(株)i-plug
今後の展望
i-plugは現在、成長のための投資フェーズにあります。OfferBoxで生み出した収益を再投資し、サービスを強化しています。また、新規事業にも積極的に取り組み、学生や若年層がキャリアを広げられるようなサービスを構築中です。
事業への投資はどのように行うのですか?
営業やマーケティング、製品開発、運営のマネジメントといったすべての分野に投資しています。そして、新しい事業開発も同時に行っています。
特定の分野だけでなく、全体的な投資ですね。
このように、i-plugはサービスの改善だけでなく、次のステップに向けて全体的な成長を目指しています。
「OfferBox」は都会を中心に急速に広がっていますが、地方にもまだ多くの可能性がありますね。
このサービスが広がることで、地方でも新たな学生と企業との出会いが生まれることを期待しています。
i-plugのミッションは「つながりで、人の可能性があふれる社会をつくる」ことです。このミッションに沿って、2030年までに未来を担う若い世代から、最も選ばれるプラットフォームになることを目標としています。
新規事業の構想はどのようなものですか?
「OfferBox」を基盤にしつつ、新たな事業開発を進めています。売上の90%を占める主力事業に依存しすぎないよう、さまざまな取り組みを行い、新しい価値を提供していきます
“つながりで、人の可能性があふれる社会をつくる”というミッションに取り組んでいるということですね。
はい、これからも学生や企業がよりよくつながれるよう努めていきます!
i-plugの新規事業は、学生や若年層が自分のキャリアを持続的に広げられるような支援を意識したものです。これにより、社会全体で学生が自分に合ったキャリアを見つけ、前進する力を提供したいと考えています。
代表取締役CEO 中野智哉様よりメッセージ
以上、株式会社i-plug(銘柄コード:4177)の取材報告でした!
レポーター:甲南大学 3年 北田大夢
i-plug様では、北海道から宮古島までリモートで業務を行うメンバーで構成されています。事務所コストを抑えつつ、必要な部分に資源を集中されている姿勢は素晴らしいです。効率向上や移動費削減にもつながり、先進的な取り組みをされており今後のさらなるご発展を楽しみにしております。
レポーター:立命館大学 2年 伊藤悠真
株式会社i-plugへの取材を通じて、「OfferBox」(オファーボックス)の社会への価値やそこへの理念をより深く知ることが出来ました。また特にお話の中から、社会課題に対して自分たちが取り組めることが何なのかを考え、行動を起こすことの重要性を再認識しました。
レポーター:大阪国際大学 2年 藤山友汰
i-plugの「OfferBox」が他の企業に模倣される可能性について質問したところ、「最初に始めたからこそ後発企業は追いつけない」というお話が印象的でした。このオファー型就活の仕組みをi-plugが独占し続ける限り、今後も成長が期待できると感じました。また、従来の就活市場の在り方を変える革新的な発想や、企業側と学生側のニーズを的確に捉えたビジネスモデルは非常に勉強になりました。
取材協力:株式会社i-plug
取材レポーター:北田大夢(甲南大学 3年)
伊藤悠真(立命館大学 2年)
藤山友汰(大阪国際大学 2年)
取材記事担当 :藤山友汰(大阪国際大学 2年)
取材SNS担当 :片野源也(名城大学 3年)
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